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794 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 01 01 01.46 ID 4h8UCWcY0 水銀燈とローゼンメイデンシリーズ 796 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 01 01 27.76 ID 4h8UCWcY0 「オウケイ!今週のアリスが決まったぜ!?」 立体映像スクリーンの中でスモークスーツを纏った派手な司会者が唾を飛ばしていた。 「最後の鋏の一撃は皆のハートにもズブリしてるだろ!? そう、今週のアリスはマスター小岩井の蒼星石ッ!」 拍手と歓声に虫カメラが背を向け、蒼星石を写した。 「アリスになれた感想をドウゾー!」 「マスター、僕、僕はもう戦わなくて」 「うん、アリガトー!いいね、ナイスコメント!おーっと、時間だ!」 蒼星石のコメントは途中で切られ、再び司会者がスクリーンに映し出されたが、 どうやらそろそろ番組終了時間らしい。 「そっれじゃーそういうことで、皆さんまた来週見てくれよNA!?ばいQ~」 カラーレーザーが空中を裂き、色で空間を染めた。 私はスクリーンの電源を切り、深く椅子に座り目を瞑った。 あの番組は好きじゃない。 本当は「激動21世紀オナホール職人達の夜明け」を見るつもりだったのだが、 運悪くあの番組を、しかも最後の方を見てしまい、完璧に見る気が削がれた。 私はそのまま深い眠りに落ちた。 夢の中で、あのローゼンメイデンシリーズ蒼星石のコメントの最後が流れた。 エアコンの風の音が部屋に沈み込んでいく。 801 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 01 16 13.42 ID 4h8UCWcY0 いつからだろうか、私達の生活にローゼンメイデンシリーズ(RMS)が関り出したのは。 最初は高所得者向けの愛玩用具だった。 それがいつからか子守用のベビードールとなり、大きなお兄さん向けの玩具となった。 昔はRMSでくだらない事をする人間は少なかった。この前の番組みたいなクダラナイ事だ。 大きなお兄さん達はRMSに違法改造を施し、金を賭けRMS同士で壊し合いをさせ、 また違う大きなお兄さんはRMSに性的欲求を満たす為の違法改造(ダッチドール改造)を施した。 802 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 01 21 09.27 ID 4h8UCWcY0 俺は、こういう人形は好きじゃない。 RMSには時々、驚くほど人間臭さを感じる事がある。 いや、それがプログラミングされた物だと理解はしている、 人間が人間臭さを感じるようプログラミングされてるだけだと。 しかし、痛い時に痛いと感じ、悲しい時に悲しいと感じるプログラミングは 人間の意志と変らないのじゃないだろうか。 807 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 01 36 37.72 ID 4h8UCWcY0 まっ、俺には関係がない話だ。 第一RMSは高すぎる、俺の手取りが24クレジットに対して RMSで一番安い物でも最低57クレジットはする、しかも中古でだ。 まったく、馬鹿げた値段設定だ。 それに付属品や服などを揃えると成ると150クレジットは超えるんじゃないか?もちろん中古でだ。 はあ、考えたら虚しくなってきた。会社行こ くそ、あのタイミングで仕事が増えるとかありえないだろ。 そもそも、この23世紀の世界で残業って何なのよ、残業って歴史の授業で習うだけだろ、普通。 私は道端に落ちていた空き缶をゴミ捨て場へと蹴飛ばした。 都市部分には掃除ロボジョイ君が沢山居るのだが、低収入者用区画までは手が回らないらしい。 「いっ」 空き缶がゴミ袋に落ちる音はせず、何か硬い物に当たる音と、人のうめき声が聞こえた。 しまった、と言うかゴミ捨て場に寝るなよ、当り屋かよ畜生! 「す、すみません、大丈夫ですか!?」 「うっ、あっあぁ、ゆるしてぇ、も、もう」 私は息を飲んだ。 ゴミ捨て場には人ではなく、一体のRMSが捨ててあった。 810 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 01 45 40.09 ID 4h8UCWcY0 RMS水銀燈は幻の素体と言われていた。 高所得者向けに作られていた時に、少し作られただけなのだ。 理由は簡単だ、製作コストが馬鹿高かった。 水銀燈はRMSシリーズで唯一単独飛行が出来る素体である、 羽の付け根に小型の反重力装置があり空を飛ぶ事が出来るのだ。 だが、小型の反重力装置は恐ろしく高い「ワオ、これじゃ新品がもう一台買えちゃうよボブ!」より高い。 反重力装置は飛行機等に使われているのだが、小型の物は軍隊にしか出回らない程凄い。 しかし水銀燈の人気は凄まじかった、中古、欠陥品がスカイネットオークションに出回ると サーバーダウンは当たり前と言われ、私には値段の見当も付かない。 820 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 02 00 50.16 ID 4h8UCWcY0 これは、RMS水銀燈じゃないか・・・・。 水銀燈素体の腹は何か大きな力で無理矢理潰されたように壊れており、 自慢の銀髪は薄茶色に汚れ、体のあちこちに焼け爛れたような痕が残っていた。 アリスゲームで負けたのか?しかし、捨てる理由が分らない。 「あ、あえっええっあ」 「壊れてる、のか?」 「なん、げ、何でもしま、しますから、許して、ゆるじで」 水銀燈がゴミ袋の上で股を開き両腕で自分の顔を隠した。 食道に昼食った火星蛙の肉がこみ上げてくる。 私は、その場から早く立ち去りたかった。あまりに酷過ぎる。 ゴミ捨て場から立ち去る。家に帰って冷たいシャワーを浴びて、全て忘れよう。 「ひっ、ゆる、ゆるして」 ゴミ捨て場に捨てられたRMS水銀燈の声が、いつまでも私の心に引っかかっていた。 829 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 02 21 42.16 ID 4h8UCWcY0 私は家で水銀燈の腹のパーツの破片を除去し、汚れを取り、爛れたような痕を コントロールクリームで平らにし、髪の毛を洗った。 彼女のドレスはボロボロで、修正箱の中でも元に戻らなかった。安物は駄目だな。 とりあえず私は自分のYシャツを着せた。 光り石に照らされ、腹が無い事が分るが裸よりましだろう。 私が水銀燈に何かしようとする度に、彼女は酷く怯えた。 「あ、あの、あなたが新しいマスターですかぁ?」 水銀燈が上目遣いで聞いてくる。 「いや、違うよ」 「ご、ごめんなさい、許してください」 大きく体を震わせ私に謝った。これだけの事で、この謝り方って何なんだよ。 「その、あなたを何とお呼びすれば、よろしいですかぁ?」 「マサユキでいいよ、何ならまーくんでもいい。」 「分りました、マサユキ様ですねぇ」 頷き確認する 「いや、マサユキだけでいい」 「で、でもぉ」 そんな事をして、私を殴るんじゃないか?そんな風に彼女の目には書いていた。 「俺はマサユキと呼ばれるかまーくんと呼ばれる事に性的興奮を感じるんだ」 適当にでっち上げる 「ま、まさゆき、さぁん」 さん付けか、まあ妥当な線だろう。 「これからよろしく、水銀燈さん」 835 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 02 42 02.57 ID 4h8UCWcY0 私は寝る前の晩酌でヤクルトを飲むのが楽しみだった。 もちろんヤクルト5兆だ。昔の人間は400を飲んでいたらしいね、可哀想に。 合成プラスチックに口をつけ一口飲む。 うん、美味い。 この独自のコクとまろやかさ、ヤクルトは最高だ。 その時水銀燈と視線が合った。 急いで私から目線を外し俯いた。そう言えば、公式設定にヤクルトが好きって書いてたな。 私は冷蔵庫からヤクルトをもう一本取り出し、彼女の頬に当てた。 水銀燈は思いっきり仰け反り「す、すみません!」と謝った。何に謝ってるんだ。 「どうぞ、冷えてて美味しいですよ」 「えっ、わ、私、飲んでもぉ?」 「ええ、どうぞ」 喉に消化装置があるはずだから、腹パーツがなくても問題ない。 水銀燈は暫く手を伸ばしたり引っ込めたりしていたが、 合成プラスチック容器に水滴が付着し始めた辺りでようやく私からヤクルトを受け取り口をつけた。 ゴクゴクと半分まで飲み、容器から口を離し、大粒の涙を流した。 「ご、ごめんなさぁい、いま、今泣き止み、止みます」 私は彼女を抱きしめ、頭に手を置いた。 水銀燈はビクンと震えた。 「いや、泣くといい」 最初は耐え、嗚咽を漏らしていたが、次第に嗚咽が大きくなりわんわんと泣き出した。 私は彼女の頭を撫でてやる事しか出来なかった。 848 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 02 57 57.30 ID 4h8UCWcY0 「マサユキさん、食器はここで良いのかしらぁ?」 水銀燈はあれ以来少し明るくなった。 未だに私が急に頭を撫でようと手を持ち上げたりすると、頭を抱えて座り込んでしまったりするが まあ、何とか楽しくやっていた。 「ええ、そこでいいですよ」と私は親指を立てた。このポーズはヨーガーと言うのだっけか? 私達はいただきますと朝食を食べ始めた。 今日は私が休みなので少し遅い朝食だ、心なしか水銀燈も嬉しそうに見えるが、それは俺の錯覚かな。 水銀燈は本当に美味しそうに食べる、見ているこっちが気持ちよくなるぐらいだ。 「あ、あのぉ、私の食べ方変だったぁ?」 Eパンを取り皿に戻し、膝の上で手をまごまごとさせる。 「いえ、美味しそうに食べてくれて嬉しいなあと、思いましてね」 「ほ、本当にぃ?」 「ええ」と私は頷いた。 どうやら、それで納得してくれたようだった。 「そんなに見つめられたらぁ恥ずかしいわぁ」 あっ、ごめんごめん 「いやね、水銀燈さんが可愛すぎてね」 「もぉっ、マサユキさんはすぐ人を馬鹿にするぅ」 「本当の事ですし、いいじゃないですか」 「やめてくださいよぉ」と顔を真っ赤にして抗議した。 しかし、本当に可愛いな。RMSが売れるわけだ。 861 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 03 14 45.81 ID 4h8UCWcY0 「いつまでもその格好じゃ、恥ずかしいでしょう」 私のYシャツ一枚で、椅子に座って本を読んでいた水銀燈に言った。 「そんな事ないわぁ、動きやすくて快適よぉ」 足をパタパタと動かし、白い太ももがチラリチラリと見える。 「まあ、それででしてね、ちょと水銀燈さんにプレゼントがあるんですよ」 「何かしらぁ」と期待を込めた視線で私を見つめた。 あれは、3日目の事だった。 863 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 03 16 30.10 ID 4h8UCWcY0 私がRMS好きのボンボンに量子電話で連絡を取り付け、彼の家に行って来た。 「やあお久しぶりだねマサユキン」 「やあ久しぶり」 俺を変なあだ名で呼ぶ癖は治ってないな、くそ。 「電話で話したと思うんだが・・・」 「あるよあるよ、置いてるよ。鞄と服だろ?」 何でも、鞄と服はオークションで騙されて買い取った物らしい。買う前に気づけよ。 「それより、本当にこんな物と交換でいいのか?」 私は一つの古い人形を取り出した。RMSの翠星石の人形だ 鞄と水銀燈の服だけでも、40クレジットはするはずなのだが・・・・。 「おおっ!本物だ!ありがたやありがたや」 彼はこの人形の前で祈祷を始めた、お祈りと言うのだったか。 「実家の倉庫に置いてあった物だから、状態はあまり良いと言えないのだけど」 「いやいや、本物ならそんなの関係ないって!」 彼の鼻息が荒くなってきた 「そもそも、RMSと言うのはだね」 「すまん、ちょとこの後予定が入ってるんだ。じゃ、鞄と服ありがとう」 「残念。それじゃあまたねマーキュン!」 その癖がなかったら、いい奴なんだけどな。 帰り際にRMS翠星石がドアの影からこちらを伺っているのが見えた。人見知り設定なのか? まあ、大体こんな感じだった。 864 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 03 17 37.99 ID 4h8UCWcY0 どうぞと私は彼女に電子カーテンで包装された鞄をプレゼントした。中には服を入れてある。 「わぁ、ありがとぉ」 彼女達RMSは鞄の中で寝る事によって、 ソフト面の不具合を治療する事が出来る。ハード面になると人工精霊と言う物が必要らしいが、 まあ俺の技術で何とか頑張ろうと思う。応援してくれ、色んな人。 「鞄を開いてみてください」 彼女は愛おしいように鞄の表面を撫でていた。 カチャリと鞄を開く。 水銀燈は中に入っていた、RMS水銀燈専用のドレスを手にとって見て、自分の胸に抱きしめ ぽろぽろと涙を零した。 「ありが、ありがとぉ、ありがとぉ」と泣きながら何度もお礼を言った。 「いいんですよ、それより着てみませんか?」 水銀燈は私が手渡したタオルで涙を拭き「うん」と答えた。 「その、出来たら後ろを向いてて欲しいわぁ」 それもそうか、これは気が利かなかった。 しかし、あそこまで喜んでくれるとは思わなかった、彼女達にとってドレスは存在意義の一つなのかもしれないな。 「そのぉ、もう大丈夫よぉ」 私は後ろを振り返り、水銀燈を見た。 どうかしらと両手を後ろに回し、微笑んでいた。 「とても似合ってますよ」 「ありがとぉ嬉しいわぁ」 昔の言葉で言うと、花のように可憐と言うのか。 ドレスに身を包み、微笑んだ彼女はとてもとても美しかった。 「あれ、寝る時は脱ぐんですか?」 「だってぇ皺がついたら嫌ものぉ」 今の世の中には便利な皺伸ばしライトがあるのだが、 Yシャツ姿も可愛いしこれはこれで良しとしよう。 870 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 03 37 44.20 ID 4h8UCWcY0 水銀燈の初期設定は年上お姉さんタイプか女王様タイプらしい。 家に居る水銀燈はRMS蒼星石の気遣いお姉さんタイプのような設定になっている。 「水銀燈さん、ちょと高圧的な喋り方してくれませんか?」 「私がぁ?」 ええと頷く。 うーんと目を瞑り、自分の中の高圧的なタイプを想像したのか パチリと目を開き 「ま、マサユキ、ヤクルトを持ってきなさぁい」 両手を腰に当て、胸を張ってそんな事を言った。 なんか違うような。 「そうだな『ノロマは嫌いよぉ!』とか、こんな感じで」 「わ、わかったわぁ」 コホンと一つ咳払いをし 「ノロマは嫌よぉ」 「なんか、優しい感じが消えませんね」 「もう一度するわぁ」 まるでコーチとバレー部員だ、ロボットのパイロットに近いかもしれない。 「いや、このままで良いですよ」 「でもぉ」と私を見つめた。 「今のままが一番可愛いですよ」 水銀燈は顔を真っ赤にし「ばかぁ」と呟いた。 881 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 03 55 22.64 ID 4h8UCWcY0 その日のニュースはどのチャンネルでも同じ事を大きく取り上げていた。 『RMS蒼星石マスターを殺害、誤作動か?』 何でもアリスゲーム用に改造されていたドールらしく、自宅で蒼星石の稼動テスト中に 急に襲いかかって来たらしい。 専門家が言うには「違法改造されたドールで、人間と人形を見分ける装置が取り外されていた」との事だ。 私が独自に集めた情報によると、見分ける装置と言う物は最初からないらしい。 人間と同じだ、人間に敵味方を見分ける装置がないのと同じように、RMSにもついていない。 つまり、RMSの蒼星石が使用者を殺したいほど憎んだ結果がこれなのだ。 水銀燈は複雑な表情で3次元スクリーンを見つめていた。 結局、その蒼星石は記憶分野だけ抜き取られ処分された。裁判なんぞある訳がない。 882 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 03 56 36.47 ID 4h8UCWcY0 ID C1txbRNw0が今日のMVPだな 886 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 04 03 20.24 ID 4h8UCWcY0 また事件が起きた。 次は愛玩用のRMS翠星石がマスターの首を締め付けたらしいが、これは未遂に終わった。 翠星石はその場で使用者の手によって壊されたとの事。 愛玩用とあるが、違法にダッチドール改造された物だ。 つまり、行為中に行き成り首を締められ殺されそうになった。これが正しいらしい。 あの事件を境に同じような事件が相次いで発生していた。 彼女達は違法に改造した者、子供のように可愛がっていた者 RMSは見境無しに人に牙を向いた。 まるで、これが私達の復讐だと言わんばかりに。 890 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 04 12 27.64 ID 4h8UCWcY0 夜、私は椅子に深く座り込み物を考えていた。 カチャリと鞄が開く音がし、水銀燈が鞄から出てきた。 「ねぇ、マサユキさん」 「どうしました、寝れませんか?」 水銀燈は居間と寝室のドアの前に立っていた。 「私は、私はマサユキさんが好きぃ」 嬉しい事を言ってくれる。 「だから、だから私はマサユキさんを襲わないわぁ」 それはありがたい、空手道は習ってなかったんだ。 「ええ信じてますよ」と頷く 「だからぁ、だから私を捨てないでぇ」 水銀燈の声は後半涙声だった。 私は椅子から降り、水銀燈においでと両手を広げた。 彼女は私の腕の中に飛び込み 「もぉ、もぉ捨てられるのは、捨てられるのは嫌なのぉ」と泣いた。 「ええ、私はあなたを捨てません、絶対に」 水銀燈は暫く私の腕の中で泣き続けた。 釣られて私も少し泣いた。 894 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 04 20 37.12 ID 4h8UCWcY0 RMSは所詮人形。彼女達の反抗は次第に沈静化されてきた。 違法に改造されたRMS達が奮闘するも、特別警官隊達の前では無力だった。 警官隊の中にも何人か死傷者が居るとの話しだが、報道される事はなかった。 RMS達は確実に勢力を落とし、数を減らしていた。 人を襲わなかったドールも、企業が売値と同じ額で買い取る意思を示すと 彼女達が信じた使用者達に次々と売り払われた。 売るのを拒んだ人の家には特別警官隊が突入するだとか、そんなデマまで流された。 私に鞄とドレスをくれた友人宅が特別警官隊に突入され、彼は捕まりドールはその場で壊された。 900 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 04 29 45.31 ID 4h8UCWcY0 「いらっしゃい」 特殊繊維でつくられた繭が張られたカウンター内から陰気な声で店主が言った。 「銃が欲しいんだが、あるか?」 「それなら、そのブラスター銃がオススメだ」 5クレジットか、妥当かな 「お客さん、何に使うんだい」 特に興味なさげに聞いてくる。 「ああ、人形を撃とうと思ってね、最近物騒だろ?」 右手で銃の形を作り、撃つ仕草をした。 「そうか、これはサービスだ」 彼は光りエネルギーボルトを100発分サービスしてくれた。 「悪いね」と私は言い、店を出た。 入る時は気づかなかったが、ドアを開けると鈴の音がした。 チリリリン チリン 902 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 04 31 51.55 ID ryLM6S/oO そういえば、RMSにはばらすぃーは兎も角きらきーはいるのかな? 904 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 04 35 16.31 ID 4h8UCWcY0 蒼星石の事件が起きなければ新商品として発表される予定でした。 薔薇水晶は他の会社から販売されています。 908 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 04 39 29.58 ID 4h8UCWcY0 水銀燈は窓辺に立っていた。 翼を広げ、羽を振動させ黒い粒子が舞い落ちていた。 反重力装置が作動している。 「どこに行く気ですか?」 いつかと逆の立場だ、今度は私が居間と寝室の扉の前に立っていた。 「マサユキさんに迷惑はかけられないわぁ」 警官隊突入の話しの事だろうか 「それに、私は憎いの」 憎い? 「私を、こんな、こんな体にしたあいつが憎い」 「あいつを憎みすぎて、あなたまで殺したくなるわぁ」と彼女は言った。 「なら私を殺すといい」 水銀燈は私の方を振り返り「心にもない事を言わないでぇ」と言う。 「本当さ」 私は水銀燈を抱きしめた。 「本当に人が憎くなったら私を殺すといい あの時あなたを殺さず、生かし、人を憎ませてしまったのは私の責任だ」 「そ、そんな、私が憎いのはアイツだけでぇ・・・・・」 「なら、ソイツに向けている憎悪を俺に向けてくれ」 「は、はぁ?」と水銀燈が混乱する。 「水銀燈、僕は君の全てを独り占めしたい」 よりいっそう強く、水銀燈を抱きしめた 「おばかさぁん」と水銀燈が呟いた、彼女も私の背に手を回してくれていた。 911 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 04 45 02.73 ID 4h8UCWcY0 2日後特別警官隊から電話が掛かって来た。 「2日前おたくの窓辺にRMS水銀燈が立っていたと通報を受けましたが、本当ですか?」 「いえ、存じませんが」 「もしRMSを保有しているのであれば、本社の方に売るか処分してください、それではよい休日を」 ここで電話は一方的に切られた。 ついに、密告者まで出ていたのか。人間は汚い。 「誰からぁ?」 「昔の友達がツボに興味がないか、だってさ」 「買うのぉ?」 「買いませんよ」 君らの電話がなかったら、さらによい休日を過ごせそうだったんだけどね。 916 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 04 55 54.53 ID 4h8UCWcY0 ドアの蝶番が打ち抜かれ、ドアを蹴破り部屋の内部にプラズマガンが打ち込まれた。 刹那、強烈な音と光りが部屋を支配し、私の五感を狂わせる。 私はテーブルの影に隠れ殺傷モードでセットしたブラスターガンを撃った。 赤い光りが空気をメチャクチャに切り裂き、先頭の隊員のわき腹焼いた。 彼らは何か叫び、後衛から二人表れ、先頭の隊員を後ろに逃がそうとするが、 私はブラスターガンを連射。運良く他の突入班の隊員と後衛班の隊員を二人焼いた。 突入班の隊員はその場で倒れ動かなくなり、他の隊員は負傷した隊員を連れ 蜘蛛の子を散らすように扉から出て行った。 辺りは急に静まり返った。遠くから垂直離着陸可能な突入機の小さな駆動音が聞こえてくる。 水銀燈はクッションを抱きしめ私の後ろで震えていた。 「大丈夫ですか?」 「あなたが、居るからぁ」 「それは良かった」 通路側から隊員が私に交渉を持ちかけてきた。 「我々は特別警官隊の者だ」 知ってるよ 「その人形を引き渡したら私達は君の安全を保障しよう」 うそつけ、突入班の隊員の腰に光りエネルギーボルトの予備弾が見えるぞ 「安心してください、私は水銀燈さんを」 水銀燈が私の腕に調理用ナイフを突き立てた。 920 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 05 10 36.82 ID 4h8UCWcY0 「な、なぜ」 しかし水銀燈は何も答えない、ナイフから手を離し黙って私を見つめていた。 廊下側でもこちら側の異常を察知したのか、突入班の一人がプラズマライフルをドアから部屋に突っ込んだ。 私は相手に撃たれるより先に、玄関で倒れたままになっていた 突入班の隊員の腰にある予備弾を打ち抜いた。 青い光りが爆発し、玄関の周りを大砲でも直撃したかのように丸く吹き飛んだ。 爆発地点にあった突入班の隊員は炭のように全身真っ黒で人と言われなければ分らない。 私は水銀燈を抱き上げ、玄関を抜け、駐車場へと走った。 「なんで、何で私を連れていくのよぉ!」 途中で爆発音を聞いて駆けつけた隊員の一人をブラスターガンで焼いた。 「言ったでしょ、絶対捨てないって」 倒れた隊員の側を走り抜ける時、人形の破片のような物が彼から飛び出ている事に気づいた。 「馬鹿ぁ、まさゆきは馬鹿だよぉ、おおばかよぉ」 水銀燈は私のシャツに顔押し付け泣いた。 確かに俺は馬鹿だ、そしてこれは愚行だろう。 たかが人形一つの為に命をかけるのだ 「ねぇ、何であの時私を撃たなかったのぉ?」 しかしこれは『高貴な愚行』大切な人を助ける為、水銀燈が自らを犠牲にし私を刺したように、 「あなたの目が泣いていたから」 『人間』にのみ許された、自分の命を投げ打ってでも行動する価値がある『愚行』だ。人形には出来ない。 私は水銀燈をエア・カーの助手席に乗せ、エンジンを点けた。 「ねぇ、何処にいくのぉ?」 「どこか二人で暮せる場所に、さ」 921 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 05 10 52.38 ID 4h8UCWcY0 水銀燈とローゼンメイデンシリーズ 922 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 05 11 07.76 ID 4h8UCWcY0 終わりです、お疲れさまでした 912 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 04 48 02.37 ID C1txbRNw0 切ないよおおおお http //www.uploda.org/uporg960883.jpg それからさっきのやつかきわすれがあったので http //www.uploda.org/uporg960880.jpg 878 どうぞ つーかまとめサイトあったのか 928 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 05 19 58.51 ID 4h8UCWcY0 912は家に来てオレンジジュースか俺の尿を飲んでいいぞ! 931 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 05 22 43.00 ID 4h8UCWcY0 でも良かったよ、SF物が受け入れられて・・・(///) 986 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/08/14(火) 12 46 52.41 ID 4h8UCWcY0 おいす、おはよう ※挿絵 ID C1txbRNw0氏
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水銀燈をはむはむしたい http //wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1183478842/ 1~
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475 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 03 13 33.22 ID CA2SMo/g0 水銀燈も構って欲しい 476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 03 13 48.69 ID CA2SMo/g0 最近水銀燈が変だ。 変と言うか、妙に甘えん坊になってる気がする。 いや、全然悪かないんだけどね。例えば「明日から自動販売機のジュースが100円に戻りますよ」 と言われても、なんか最初はピンと来ないだろ?今丁度そんな感じなんだ。 「ねぇまぁくぅん」 水銀燈が自分の頭を私のわき腹に摺り寄せ、そのまま体を 私の胡坐へと滑り込ませる。 どうしたんだいと水銀燈の前髪を横に寄せながら聞く 「うぅん、こうしてる落ち着くのぉ だめぇ?」 そんな事ないよと眉間を親指で撫でると 水銀燈は目をつぶり私の親指に神経を傾けた。 「最近甘えん坊さんですね」 「甘えん坊さんは嫌ぃ?」 「いえ、好きですよ」 なら良かったと私の手の甲に自分の顔を摺り寄せてきた。 なんでも、ざらざらとほんわかが合わさって、とても気持ちが良いらしい。 水銀燈はそのまま眠ってしまった。 可愛いのだけれど、これじゃ足が痺れて敵わないな。 479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 03 26 21.61 ID CA2SMo/g0 後ろから水銀燈が抱き付いてきた、私の首に手を回し彼女の唇がうなじ辺りにある。 「ねぇ」と唇が動く。 体内で温められた空気が私のうなじをざわりと撫でた。 「何か感じなぁい?」 水銀燈はぴょんぴょん飛跳ね、何かをアピールしようとしていた。 香水?最近はオーディオコロンだっけかとも思ったが、水銀燈の匂いはいつもの、柔らかく透き通るような 冬の空の匂いがしていた。じゃあ、何だろうか関節技でもないと思うし。 いや、もしかして 「胸、当ってますよ」 それを聞いた水銀燈は私に強く抱きつき 「あ、当ててるのよぉ」と呟いた。 「ところで、何処で勉強したんですか、その技」 「いんたーねっとのぉ大きな掲示板で勉強したわぁ」 私はパソコンに向かって「耳をハムハムしてくれるような、そんな娘を頼むよ」と願掛けをした。 「ねぇ、興奮してきたぁ?」 水銀燈が思い出したように聞いてきた。 「そうですね、水銀燈さんに抱きつかれると、興奮しますよ」 「もぉ違うわよぉ、おっ、そ、そのおっ」 「おっ、何ですか?」 「な、なによォ意地悪ぅ ばかぁ、すきぃ」 私は、僕も好きだよと右手で彼女の顎を撫でた。 526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 09 30 12.63 ID zxVK1NcYO 三分まーくん 527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 09 35 26.38 ID CA2SMo/g0 水銀燈が居るからぼ、ぼくはらめらよぉ・・・・ 528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 09 39 29.28 ID CA2SMo/g0 どう言う訳か、今私は水銀燈に耳をしゃぶられていた。 行き成り抱きしめられたので、キスでもしてくれるのかと思っていたのだが。 水銀燈は私の顎先に舌をつけ、そのまま顎のラインにそって舐め上げ 耳の付け根に舌が当ったらまず耳の裏側を舐め、耳の付け根の上から 軟骨の間に舌を這わせ、耳たぶを甘く噛み、引っ張り、口の中で歯の間から飛び出た 耳たぶをペロペロと舌先で舐め、ピンクの歯型がついたら耳たぶを開放し、 耳の穴へ息を吹きかけ、舌で耳の中を掃除でもするかのように、クルクルと耳の壁を舐め回し ながら耳の奥へと舌を進ませ、舌が限界まで伸びきったら、直ぐには引っ込めず、 そのまま暫くその場でうねうねと動かし、引き抜いた。 はぁ、はぁと水銀燈の熱ぼったい息がかかり、それだけでもゾクゾクとする。 水銀燈は私の耳に唇を当てたまま 「ねぇ、こういう子は好きぃ?」と聞いてきた。 「ええ、好きですよ」 「良かったぁ。ならもっとしてあげましょうかぁ?」 「いえ、次は私が」 そして私は水銀燈の左耳を咥え、水銀燈にされた事をそっくりそのまま返してやる 水銀燈は口に手を当ててふるふると耐えていた。 531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 10 15 42.16 ID CA2SMo/g0 それにしても、最近の水銀燈は本当にどうしたんだろうか 何か悪いものでも食ったかな。変な思想とか、そんなの。 彼女は今、部屋に居なかった。朝、鞄から飛び起き急いで鏡の世界へと 入って行った。何か急な用事でもあったのだろうか。 そんな事を考えていたら鏡が光り始めた。水銀燈が帰ってきたらしい 「にゃあ」 鏡から現れた水銀燈はネコミミのヘアーバンドをつけ、両手にはネコの手グローブを着けていた。 「何してるんですか」 「ネコにゃあ」 鏡の前でポーズを取る水銀燈。 そうか、ネコか、ネコ。 きっとnのフィールドにある雑貨店か何かで買ってきたんだな。 水銀燈が羽を広げ、私の目の前まで飛び、目の前でホバリングしていた。 ネコなのに飛べるんですか 水銀燈がネコの手グローブの肉球部分でで私の顔をぽふぽふと叩いた。 「構うにゃ」 532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 10 15 58.97 ID CA2SMo/g0 『構え』なのか『構うな(にゃ)』なのか難しいね 「いいから相手をしろにゃ」 そうか『構え』だったのか。水銀燈は相変わらず肉球部分で顔を叩いてくる。 「そうですね、それじゃあ何か飲みますか?」俺のミルクとかな 「じゃあヤクルトが飲みたいわぁ」 「あれ、ネコじゃなかったんですか?」 「や、ヤクルトが飲みたいんだにゃ」 慌てて言い直す水銀燈。顔の前で手をバタバタさせるのも可愛い。 「でもその手でどうやってヤクルトを飲むんですか?」 四つん這いで皿から直接舐めさせるのもいいよね。 水銀燈はしばらく考え、グローブを外した。 「もう、これでネコじゃないわぁ」 そうかそうか、ヤクルトを選んだのか、もったいない事を 彼女は私からヤクルトを受け取りコクコクとヤクルトを飲んでいる。 未だに水銀燈の頭に乗っているネコミミヘアーバンドについては指摘しない事にした 多分本人も忘れてるし。 その日の夜、脱衣所でにゃあと大きな悲鳴があがった。私はあれで良かったんだけどな。 536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 10 47 01.35 ID CA2SMo/g0 バうぇあtらえありゃやえりゃえちゃて 537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 10 47 42.73 ID CA2SMo/g0 総合スレに誤爆したぞwwwwwwwwwくそwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwふろはいってくるwwwwwwwwwwwwwww 538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 10 49 03.80 ID CA2SMo/g0 「水銀燈さん、あなた私の夢を覗いてるでしょう」 最近の水銀燈の媚び方は、俺の煩悩を刺激して来ると言うか いや、まるで俺の煩悩から直接性的嗜好を聞きだしたような、そんな正確さがあった。 「な、なんの事かしらぁ」 私と視線を合わせようとしない。水銀燈の目はバタフライ泳法で距離を稼いでいた。 「どうなんですか?」 水銀燈の頬を両手で捕まえ顔を覗き込む。 次第に彼女の目の端が潤み 「ごめ、ごめんなさぁい」と水銀燈が謝った。 何でも、興味本位で私の夢を覗いてしまい色々と凄い物を見てしまったらしい。 最初は偏った秘宝観気分で見ていたらしいが、途中から不安になり 「このままじゃ、私に飽きられてしまう」と思い込み夢に出てきた事をいくつか実行する事にしたそうだ。 「そんな事ある訳ないじゃないですか」 私は親指で彼女の目尻を拭った。 「ほ、ほんとぉ?」 「ええ、水銀燈さんが私の性的嗜好の塊みたいな人ですからね」 「それもそれで、何か複雑な気分だわぁ」 私は水銀燈の額にキスをし「それだけ可愛いって事ですよ」と言った。 「何か騙された気分だわぁ」と水銀燈は私の手の平の中で唸っていた。 しかし変だな 「あら、どうしたのぉ?」 「私の夢のネコならアナルに尻尾を挿し込み、服は紺のスクール水着だと思うんだ」 「ば、ばかぁ、だから不安になるのよぉ」 この話を聞き、暫く水銀燈は鏡の方を見つめていたが、諦めて私に抱きついてきた 「私のネコはそんな事しないんだにゃん」 それでいいんですよ、そのままの貴女が一番可愛いんです。 545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 11 13 17.71 ID CA2SMo/g0 水銀燈も構って欲しい 546 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 11 13 33.18 ID CA2SMo/g0 終わりです、お疲れさまでした 552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 11 24 31.64 ID qhMWmY9bO マサユキ(すごくかっこいい) 553 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 11 25 44.53 ID CA2SMo/g0 はい、その通りです 561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 12 14 37.87 ID CA2SMo/g0 水銀燈をくんかくんかしたい 水銀燈をはむはむしたい 水銀燈をぎゅっと抱きしめたい 水銀燈と乳製品を肴に盛り上がりたい 水銀燈を抱っこしてデートしたい 水銀燈を梅雨のお供にしたい 水銀燈を添い寝させたい 水銀燈をなでなでしたい 水銀燈をゲットしたい 水銀燈を夏祭りに連れて行きたい 水銀燈をたたき起こしたい 水銀燈を見つめたい 水銀燈をかまいたい 水銀燈を支えにしたい 水銀燈を離したくない 水銀燈を見送りたい 水銀燈と踊りたい すいぎんとうをくるおしいほどもとめたい 水銀燈と夏の風物詩を楽しみたい 水銀燈の夢 562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 12 14 54.74 ID CA2SMo/g0 水銀トェェェイ 水銀燈うううううううう 水銀燈ふうああああああああああ 水銀燈と鞭 水銀燈を抱きしメッツ! 水銀燈とうどん 水銀燈とサクランボ 水銀燈を舐めまわしたい 水銀燈と女の子 水銀燈の影 水銀燈と青年 水銀燈と無関係 水銀燈と契約したい 水銀燈とフリルレロ 水銀燈と少女2 水銀燈の最近の思い出 水銀燈に好かれたい 水銀燈を見る 水銀燈と暮したい 水銀燈をちゅっちゅの魅力の虜にしたい 水銀燈と契約した少女 水銀燈とジャンク 水銀燈とペルセウス流星群 水銀燈も構って欲しい 563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 12 19 07.48 ID Qp/mRaJ50 561-562 作品一覧? 565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 12 21 17.06 ID CA2SMo/g0 いえす、Wikiで見てきた 627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 16 26 23.95 ID CA2SMo/g0 もう外にでたくねぇ 629 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 16 28 49.60 ID iBIzCA30O 水銀燈のためならニートに成れる 633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 16 42 39.53 ID CA2SMo/g0 水銀燈のためにニートになってる俺は、どうなるんだよ^^ 635 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 16 45 08.88 ID Qp/mRaJ50 633 小説家になればいいじゃないwwwwww 637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 16 46 14.03 ID CA2SMo/g0 それで食えるなら、なりたいよな・・・ 642 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 16 56 32.77 ID CA2SMo/g0 「あつかれいたい」 私の帰宅直後の第一声はこれだった。 「まーくんおかえりなさぁい、ヤクルト買ってきてくれたぁ?」 部屋着の水銀燈が玄関まで迎えに出てきた。 「シャワーあびてくる」 「あっ、ちょっとぉ ヤクルトはぁ?」 水銀燈の静止虚しく、私は脱衣所に入り服を脱ぎ、風呂場で帽子を被ってる事を思い出し脱衣所に放り投げた。 シャワーで体の汗を洗い流し、ハンドタオルで体を拭きパンツ一枚で脱衣所を出た。 「ちょ、ちょっとぉ!パンツ一枚にならないって、約束したじゃなぁい」 指を広げ自分の顔を隠しながら水銀燈が言う。 私はそのまま水銀燈のお腹に抱きつき、彼女を床に押し倒した。 「ななな、なに、なにするのよぉ!」 半裸の男が行き成り抱きついたら、誰でも驚くだろう。 「もうね、もうね、聞いてくださいよ」 特に危害を加えないないと分ったのか、僕の頭を撫でながら「どうしたのぉ?」と言った。 「あのですね、引越し先の下見に行って来たんです」 「うん」 「そしたらね、外が暑くて、大家のオッサンの物置の片付け手伝って、汗で大変で」 「大変だったのね」 僕は水銀燈のお腹に顔をスリスリと擦り付けた。 「それに外に出ると頭痛くなるし、水銀燈さん居ないし・・・・・・」 「まーくんには私がついてるんだからぁ大丈夫よぉ」 僕の頭をよしよしと撫でる。 「いたいのいたいのぉ、とんでいけぇ~」 水銀燈は頭を撫で、お呪いをしてくれた。 「もう外に出たくないよ」 「それならぁ、私がずっと抱きしめててあげるわぁ」 僕はそれに答えるように、水銀燈を抱いている手に力を込めた。 風鈴が風に揺れ夕日をかき回していた。 650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 17 37 28.03 ID CA2SMo/g0 僕が次に目を覚ました時には、空もだいぶに暗くなっている頃だった。 やわらかい。僕の頭は柔らかく、温かい枕の上にあった。 これは何だろうか、枕にうつ伏せに寝たまま右手を枕に伸ばし、何か確認する。 僕が頭を乗せているのは、二つの膨らみで、それの奥の方には柔らかい塊があった。 触っていると、とても気持ちが良くなる。 「こらぁ」 コツンと私の頭が叩かれた。 「マセガキは起きなさぁい」 ここで事情が飲み込めた。 私は水銀燈さんの膝枕で寝ていたんだ。 人形の足じゃ人間の頭は重かろうと急いで体を起すのだが、寝起きの貧血で また水銀燈を押し倒す格好になってしまった。 「もぉ、今度はおっぱぃ?」 私の顔は水銀燈の胸の上にあった。 「そんなに元気ならヤクルト買いに行きなさいよぉ」 私の頬を撫でながら水銀燈が言った。 651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 17 37 48.27 ID CA2SMo/g0 「こ、こらぁ」 僕は水銀燈の胸を服の上から唇で咥え頭を動かした。 「僕はコッチのヤクルト飲むから、水銀燈は僕のヤクルト飲んでよ」 僕はそう言うとまた直ぐ胸を唇で咥え頭を動かし出した。 「あっ、こ、ンッ!く、くすくすぐった、や、やぁよぉ」 水銀燈はくすぐったいのか私の頭を両手で押さえケラケラと笑っていた。 僕は大きくなってきた股間を水銀燈の足に摺り寄せる。 「あらぁ、オイタはだめよぉ?」 水銀燈は急に冷静になり私の両耳を手に取り、思いっきり引っ張った。 「あ、いや、その」 「そのぐらい元気なら、ヤクルト買いに行けるわよねぇ?」 「今すぐ、行ってきます」 私は急いで服を着て、近くの24時間営業のスーパーまでヤクルトを買いに行った。 少しぐらい、エッチな事を許して欲しいんだけどな。まあ、家に帰ったらリターンマッチですよね それにしても、オイタをしたら耳がおーいたた 664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 18 32 22.68 ID CA2SMo/g0 水銀燈と色んな所に行きたいんだけど、水銀燈生き人形なんだもんな・・・無理だよな・・・ 669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 19 00 25.86 ID CA2SMo/g0 水銀燈が本棚の前で本を物色していた。 「何読んでるんですか」 私は床に寝転び、水銀燈のカボパンを見ながら聞いた。 「本よぉ」 そっか、本か 私は両手を伸ばしカボパンの上から水銀燈の尻肉を撫でた。 「こーらぁ、やめなさぁい」 そんな事言われてもうちマサユキやし 水銀燈はお尻を振り私の手から逃れようとしたが、誰も私の魔の手からは逃れられない。 まあ、水銀燈がやば強い吸血鬼だったら俺も食われちゃうけどね。 「そんなに私のお尻が好きならぁ、私の椅子になりなさぁい」 水銀燈が私の両手に体重を掛けてきた。 私も負けずに両手をウネウネと動かし、尻肉100変化を楽しんだ。 しかし、いい加減手が疲れてきた。 「疲れました」 「手を下ろしたらめーよっ」 670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 19 00 42.43 ID CA2SMo/g0 はあ、引篭もりの筋肉に期待しないでくれよ 私はそのまま腕を下ろし水銀燈のお尻を私の顔に乗せた。 「もぉ椅子が低くなっちゃったじゃなぁい」 「ふがふが、ふが」水銀燈のお尻の下で何か喋ろうとするのだが、声が上手に出ない。 「何言ってるのよぉ。まあいいわぁ」 水銀燈は私の顔に座ったまま本を読み出したので 私の顔から滑り落ちないよう、外側から水銀燈の内太ももに手を伸ばした。 「あらぁ肘置きぃ?ありがとっ」 とりあえず、内太もものマッサージでもしてあげよう。 私はスカートを手首から上で巻くり上げ、内太ももを直接薬指で擦り始め、 奥へ奥へと指を運んだ。 私の指が水銀燈の足の付け根にたどり着こうとした時、水銀燈が私の顔の上で お尻を大きく動かした。 「おいたはめーよぉ?」 私は水銀燈の尻肉の感触に免じて指を膝小僧まで戻した、再チャレンジだ。 彼女が読み出した本の冒険は、まだまだ終わりそうになかった。 そして、私の冒険も。 678 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 19 32 30.23 ID CA2SMo/g0 時間が夜の9時になった。 「そろそろ寝るわぁ」 水銀燈が伸びをしてアクビをした。 「ねえ、一緒に寝ませんか?」 「ほんと、まーくんはエッチねぇ」 出来の悪い弟を見る目で水銀燈は私を見た。 「それに私達は鞄に寝るって知ってるでしょぉ?」 知ってるんです、知ってるんですけど 水銀燈は歯磨きを済ませ鞄に入り「早く寝なさいよぉ」と言い鞄を閉じた。 部屋が恐ろしいほど静に、そして広くなった。 草木も眠る時間、蝉が鳴いていたが時間を思い出したようにピタリと鳴き止んだ。 ガチン、ガチンと時計の音が鼓膜を大きく振るわせる。 その時ガチャリと鞄が開き水銀燈が出てきた。 「寝れないのぉ?」 「いえ、起きていただけです」 私はリクライニンチェアーに腰掛たままそう言った。 「あなたこそ、寝ないのですか?」 「今起きたのよぉ」 確かに、今は夜が終わった朝の時間だ。 水銀燈は私の手を取り「いらっしゃい」と私をベッドに連れて行った。 「寝かしつけてあげるわぁ」 水銀燈は私を抱きしめ、一緒にベッドに入った。 「ご本でも読んであげましょうかぁ?」 「いや、このままがいい」 私は水銀燈の胸に顔を押し付けた、とても気分が落ち着く。 「なら、お歌でもぉ」 私は眠っていた。 「おやすみなさい、マサユキ」 もう、時計の音は聞こえてこない。 679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 19 37 13.54 ID 4q8YeuHD0 まーくんマジで水銀燈と暮らしてるだろwwwww 682 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 19 49 57.34 ID CA2SMo/g0 もちろん、水銀燈と暮してますよ 683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/08/13(月) 19 52 10.63 ID bBUewj+O0 ID cw1fJrDVOのがんばりというか性癖は異常 684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 19 52 47.35 ID CA2SMo/g0 いや、薔薇紳士として当然だろ・・・ 700 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 20 51 01.42 ID CA2SMo/g0 メイメイに水銀燈のメンテナンス頼まれた気がするので、今回は私がする事にした。 「それ、ほんとぉ?」 あ、そういえば綿棒があった方がいいよね、純国産用意しとこ。 「ねぇどうなのぉ?」 水銀燈が目を細めて私の眼を覗き込む 「よだうとんほ」 それから暫く考え「それじゃあお願いするわぁ」とドレスの上を脱いだ。 「ちょ、ちょっと待った!」 「行き成りなによぉ」 「下着は私が脱がそう」 水銀燈は大きな溜息を一つ吐き出し、両手をバンザイの格好で上げ「どうぞぉ」と言った。 私は生唾を飲み込み、肩紐と裾のレースを一緒に持ちあげ下着を脱がし、持ち上げられた髪の毛が 下着が頭を通り過ぎるとふわりと舞い降り、銀の風が水銀燈の肩にかかった。 私の網膜に水銀燈の細く、白い人形の体が焼きつく。 白い乳房の膨らみのてっぺんに、申し訳無さそうにピンクの小花が上を向き咲いていた。 「それじゃあ、簡単な清掃だけお願いするわぁ」 手首をコキコキと動かしながらそんな事を言った。 702 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 20 55 00.89 ID CA2SMo/g0 「下は、脱がないんですか?」 「上の手入れがしっかり出来たら、お願いするわぁ」 教えてやるよ、何故歴代大関が43人?42人?まあいいや、とにかくそんな事を体に教えてやるよ! 私は水銀燈の手を取り、球体間接に溜まった汚れを綿棒で取り、ブラシで軽く掃った。 「どうです!」 「その、まだ手首だけだしぃ、何とも言えないわぁ」 それもそうか。そのまま肘、肩と汚れを取っていく。 「こーらっ」 私が偶然を装い胸を触ろうとしたら事前に察知され怒られてしまった。ジゼンニー 「もう終わりにするぅ?」 「いえ、心を入れ替えたつもりで真面目にやります」 ならお願いと私に左手を差し出した。OKボス 左手の清掃も終え、いよいよ山場のお腹と胸のパーツの境目を掃除する事にした。 私は冷静さを保つ為、背中の部分から掃除を始めた。 「やっぱり、お風呂だけじゃ綺麗に取れないのねぇ」 手首を見ながら水銀燈が言った。 「そうですね。それじゃあ、前の方をしますよ」 「はぁーい」と水銀燈が返事をした。 水銀燈の鳩尾辺りを掃除している時、理性が飛んだ。 私は水銀燈の右乳房に吸い付き、左手で左胸を掴んだ。 703 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 20 55 16.87 ID CA2SMo/g0 「痛ッ!」 急に乳を掴まれ、水銀燈は痛みを訴える。 「こら!やめ、やめなさぁい!」 私の両耳をギリギリと千切れんばかり引っ張るが、私は止まらない。 唾液の音を立て右乳首を吸い、前歯で付け根を噛み、先端を舌で転がす、 左手は胸の肉の柔らかさを感じる為手の平で押しつぶす様に円を描きながら こねくり回し、右手は彼女の尻肉を掴んでいた。 水銀燈は私の耳を引っ張りながら熱っぽい息を漏らしていた。 そして私の右手が彼女のスカートを捲くり上げ、指を彼女の太ももに這い上がらせた時 「ねぇ、マサユキ。私、初めてだからぁ、優しくしてぇ?」 水銀燈は私の耳から手を放し、両腕で顔を隠しながらそう言った。 「えっ?」 私は行き成りの出来事に乳首から口を離し顔を上げ、水銀燈の右ストレートが人中を直撃した。 「まったく、去勢でもしてやろうかしらぁ」 水銀燈が衣服を正しながらそんな事を言う。 「すみません、あんまり魅力的だったので、つい」 しかし、下半身まで我慢してたら、もっと美味しい事に。後悔先に立たずって奴か。 私は人中を押さえながら、一人シベリアをしていた。 水銀燈は一つ大きな溜息をつき「次は真面目にしなさいよぉ?」と言った。 「ええ、次は下半身まで我慢しますよ!」 「勉強しないガキねぇ」 711 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 21 17 41.47 ID CA2SMo/g0 「水銀燈さん、朝ごはんですよ」 私は水銀燈の鞄をノックした。 「おはよぉ・・・・・・」 水銀燈が瞼を擦りながら鞄から出てくる。 「顔洗いますか?」 「いらないわぁ」 水銀燈は両手を伸ばした。 私は水銀燈を抱かかえ食卓まで連れて行く。 「それじゃあ、食べましょうか」 いただきますと私達は朝食を食べ始めた。 「あっ、そこのハチミツとってぇ」 「はいどうぞ」 私はグレープフルーツ味のハチミツを手渡し、 「ありがとっ」と水銀燈が軽く返す。 「ねぇ、まーくん」 「何ですか?」 「おはよぉ」 水銀燈は口の端にパンカスをつけ、微笑んだ。 「うん、おはよう」 微笑みの端のパンカスを摘み、食べた。 また新しい、私と水銀燈の一日が始まった。 712 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 21 17 57.10 ID CA2SMo/g0 水銀燈と俺物語 713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 21 18 13.22 ID CA2SMo/g0 終わりです、お疲れさまでした 770 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 23 55 45.61 ID CA2SMo/g0 1時 771 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/13(月) 23 56 00.99 ID CA2SMo/g0 1時 772 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 00 04 08.18 ID 4h8UCWcY0 ごめ、何か変なの書き込んだ 774 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 00 10 23.07 ID 4h8UCWcY0 水銀燈の仕業かもしれねえ・・・ 785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 00 38 03.24 ID yifrkMX/O ( ^ω^)ところで低周波治療器を前立腺付近にあてがったらすごいことになりそうなんだが 1よ試してくれよ 786 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 00 39 32.18 ID 4h8UCWcY0 つまり、蟻の通り道と言われる場所に貼り付けろ って事だろ? 一度試した事があるんだが、そこに上手く電気が流れなかったんだよね。 近い内にもう一度してみるよ。 793 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/14(火) 01 00 27.19 ID 4h8UCWcY0 じゃ、まあ1時ですし 次へ
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水銀燈「つかれた」 http //wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1191241985/ 1~295 296~
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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 01 35 04.29 ID ZuvhborM0 「1580円になります」 レジ袋にカップアイスを詰めながら店員が言った。 「あっ、はい」 100円のカップアイス10個で1050円と考え、お金を用意していたのだが 考え違いをしていたようで、急いで足りない分をマネートレイに置いた。 「ありがとうございました」 自動ドアが開き、外の生ぬるい風と挟み撃ちになる形で定員の言葉が聞こえてきた。 それにしても、150円だったとは気づかなかったな、まあ嫌いなアイスではないし、いいか。 彼は家路の途中でそう考えた。手にはカップアイスが10個入ったビニル袋をぶら下げている、 袋の中で5ずつに分けられ重ねられたアイスが螺旋のように絡み付いていた。 ついでに言うと、彼が買ったアイスの商品名はゆずレモンだ。 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 01 44 15.13 ID ZuvhborM0 彼は坂道を下り、少し寂れた2階建てのアパートの前に出た。二階の真ん中の部屋の窓には 「空き部屋あります」の看板がさがっている。 彼は塗装が禿かかった階段を上り、一番奥の部屋に入った。 買ってきたアイスを手早く玄関口の冷凍庫に突っ込み、袋は丸めて紙袋のなかに突っ込んだ。 「暑い」彼は上着とズボンを脱ぎ、パンツ一枚になってパソコンを起動させた。 ピーカリカリカリとHDDの引っかく音が狭い部屋に響く。起動までの時間に自分の体を姿見鏡に映し、 細い体に浮かび上がる筋肉を満足気に眺めたりしていた。 彼は自分で「うん、インナーマッスルって奴かな!」と思い自分がガリガリだと言う事を 認めようとしないのだが、体重計に乗ると心なしか背中を丸めていた。 そんな事をしている内にパソコンが起動した。彼なしでも世界は巡る証拠の内の一つだ。 彼はパソコンの前に座り、ニュース系のサイトを斜め読みしmixiでコメントに頭を悩ませ、 大型掲示板の前でどんなクソスレを立てるか心躍らせていた。 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 02 03 09.51 ID ZuvhborM0 「ぶふっ」 ディスプレイに飛び散った唾を首にかけていたタオルで拭く。彼のディスプレイは未だにCRTだった。 「これは酷い」彼は一人呟きながらキーボードを手馴れた様子で叩き始めた。 それから2時間ほど、画面の前で一人格闘し、飽きたのか畳の上に倒れこんだ。 「つまんねぇなァ」 青い時代もあったであろう畳の上で背伸びをし声を絞り出した。 何かを思いついたのか「ん」と彼は鼻を鳴らし、キーボードの前に向き直った。 <タイトル:俺がまくから家にこい> 彼は本分入力欄を選択し、これまた手早くキーを叩く <○まきますか まきませんか> 「よし、いいクソスレだ」 内容を見直し、一人頷き書き込みボタンを押した。 彼はいわゆるオタクであった、ついでに言うと今流行のニートでもあり、 彼の愛は2次元のキャラクター、水銀燈に向けられていた。 これだけそろえば駄目の3ポイントシュートだけで試合を終了させてしまう事も出来るが、 彼は引篭もりなのでNBAから彼がスカウトされる事は永遠になかった。 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 02 19 07.38 ID ZuvhborM0 他人が立てたクソスレに適当なレスをしつつ、自分が立てたクソスレのチェックも怠らない。 どんな煽り文句が着ていたとしても、引篭もりで、人との交流が少ない彼にとっては結構嬉しい物であった。 <ご職業はなんですか> こんなレスがつけられていた。 彼は両手を腰に当て、斜め上を見て何かを考え、再びキーボードに手を戻した。 <現在ニートですが、水銀燈への愛は誰にも負けないつもりです☆ミ> 最後の記号は彼なりのユーモアスだ、面白いかどうかは別として・・・・・・。 「まっ、こんなもんだろ」 彼は書き込みを終わらせ、首を捻った。 変な姿勢で長時間パソコンの前に座るため、肩と腰とが悲鳴を上げているのだ。 適当に筋を伸ばし、自分のスレを更新する。 「なんだよ、俺とコイツしかいねーじゃん」 スレッドには<おめでとうございます! PS 働いた方がいいですよ>と書き込まれていた。 巨大なお世話だろ。そもそも、PSって手紙とかに使う言葉じゃないの?あれか、新しいコピペか何かか。 彼はそう考えながら<昔、PS型のミクロマンの基地がありましたよね>と書き込んだが、それから相手が何かを書き込むことはなかった。 彼はパソコンの前から立ち上がり、晩飯の用意の為に台所へと消えた。 次にそのスレを見た時には連投の手によって、700の壁を越えようとしている所だった。 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 02 31 58.29 ID ZuvhborM0 寝苦しい夜だった。 夜の闇をバターナイフで切り取り、僕の顔に塗りたくってくるような、そんな夜だった。 ふと目が覚めた。扇風機のタイマーは止まっており、モデムの光りの点滅だけが部屋を照らしていた。 僕は顔ぬ塗りたくられたバターを洗い落とすついでに、冷蔵庫で水を飲もうと寝床から起き上がり 慣れた自分の部屋を電気も点けづに洗面所まで歩いた。 「いてっ!」 小指を何かにぶつけた、多分ちゃぶ台だ。妖怪逆さま枕が暇つぶしに部屋の模様替えをしたのかもしれない。 が、今はそんな事はどうでもいいぐらい小指が痛かった。 しゃがみ込み「痛かった、今のは痛かったぞ!」と心の中で3度呟き立ち上がる。俺、完全復活。 洗面所で顔を洗い、台所で冷えた水を2杯飲み、すり足で寝床に辿りつき夢の旅行プランの続きを楽しんだ。 何故か冬のドイツの町並みをさ迷い歩く夢を見てしまった。 水銀燈ときゃっきゃウフフの旅行プランが受理されるのはいつ頃なんだろうか? 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 02 42 55.16 ID ZuvhborM0 断続的な振動で彼は夢の波打ち際まで引き上げられた。 もう、昼なのか。寝起きの鈍い頭でそんな事を考えているとコメカミに電撃が走った。 完璧に目が覚めると同時に、鈍い痛みが脳に信号を送り出した。 朝一の冴え渡る脳みそには電気信号の交通渋滞がないらしい。 上半身だけ起こしコメカミを押さえ、このままじゃ小指とコメカミに挟まれた場所が 痛みの電気信号にひっくり返っちゃうよ。などと考えながら自分を痛みの’ベル’で起してくれた物は何かと 横を見ると、水銀燈が腕組みをしこちらを睨みつけていた。 まだ痛むコメカミを摩りながら水銀燈を見つめた。 彼女の姿はディスプレイやコミックの中で見るより美しかった。 均整の取れた顔、流れる銀髪、細部にまで拘りがあるドレス。 そして、僕を睨みつける赤の瞳。 どうやら、夢の続きを見ているらしい、夢と分れば怖い物はない。 痛みはあるんだ、感覚もあるに違いないと僕は水銀燈に手を伸ばし、彼女の肩に手を置き 頬を親指で押し込んだり、ぐにぐにと回し感覚を楽しむ。 和菓子の繊細な柔らかさときめ細かな肌とが合わさり、とても触り心地がいい。 どれ両手でと彼女の頬を両側から同じように触る、極楽極楽。 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 02 56 27.93 ID ZuvhborM0 「ねえ」 水銀燈が口を開いた。 「何してるの?」 「ほっぺを触ってるんだよ」 「ふーん」と水銀燈は鼻で答え、組んでいた腕をほどいた。 押さえつけられていた二つの膨らみが、手の枷から開放されたゆんとはずむ。 次は胸を触らないと、僕がそう思った次の瞬間、僕の右頬に稲妻が走る。 思わず頬を押さえ身を縮めた。 「どう?目が覚めたかしらぁ」 殴った手をぱたぱたと振りながら、水銀燈はそう言った。 「痛──、これっ、夢?」 右頬を押さえ、水銀燈に顔を向け聞いた。 「もう一発」 そして、左頬にも同じように稲妻が走り、完全に目が覚める。 時計の短針は8を指していた。 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 03 03 00.87 ID ZuvhborM0 カラカラ、カランと箸が小さなちゃぶ台を転がり、食器にぶつかり止った。 水銀燈は落とした箸を拾い上げ、目玉焼きを掴もうとし箸先がクロスし床に落ちた。 僕はそんな彼女の奮闘を眺めていた、僕の方はとっくに食べ終わり、お茶を飲んでいた。 水銀燈は床に落ちた箸を拾い上げようともせず、両手を握りちゃぶ台の上に置いている。 へそを曲げたのか、いや、アニメ版だと腹ないよな、どうなんだろ。 「ねえ」 僕の春風のような柔らかい思考を水銀燈の声がさえぎった。 「お箸が落ちたんだけど」 「そうだね」 水銀燈は僕を睨みつける。フォークとナイフを用意しろとでも言うのか? まあ、ないこともないし、別にかまわないんだがと腰を上げようとした時、再び水銀燈の口が開かれた。 「なんで、拾わないのかしらぁ?」 心なしか声が苛立っていた。 「え?」 「拾いに来るボーイが居ないんだから、あなたが拾うのが筋でしょう?」 どこの高級フランス料理店だよ・・・・・・。 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 03 11 41.50 ID ZuvhborM0 「あのさ、」 「早くっ!」 水銀燈の鋭い声が僕の声を千切る。 僕は一度肩をすくめ、向かいに座っていた水銀燈の方に体を伸ばし、落ちた箸を拾い上げた。 「どうぞ」 水銀燈は形のいい眉をピクリと動かし、僕から箸を受け取ると自分でティシュを一枚取り、箸を拭いた。 ああ、気遣いが足りなかったのね。 再び水銀燈が目玉焼きに挑み始めた。 「フォークとナイフ、持ってこようか?」 また怒鳴られるかもと思いながら、僕は口を開いた。 「いらないわぁ」 予想と裏腹に落ち着いた声が返ってきた。 「私は誇り高きローゼンメイデン第一ドール水銀燈、異国の食器ごときに負けるわけには、いかないのよぉ」 「はあ」 僕はあいまに返事を返した。 「それと」 水銀燈は少し口を紡ぎ 「・・・・・・気遣いありがと、マサユキ」 小さくお礼を言い、再び目玉焼きに挑み始めたのだが、すぐまたポトリと箸が落ちた、 僕は何も言わず箸を拾い上げ、テイッシュで汚れを拭き、水銀燈に手渡した。 水銀燈は軽く頷き朝食に向き直る、朝食はまだ始まったばかりだ。僕は二杯目のお茶をコップに注いぐ。 そして、ズイと水銀燈がコップを僕の方に差し出し、僕は何も言わずにお茶を注いだ。 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 03 22 16.43 ID ZuvhborM0 それにしても、あの水銀燈はいったい何なんだ。 1週間前の朝いきなり現れ、それから僕の部屋に住み込み(居付き) 朝、昼、晩の食事を要求し、いつも僕のベットの上でゴロゴロと本を読み、 深夜は鏡を使いどこかに出かけ、日付がかわる前に帰ってくる生活を繰り返していた。 これじゃまるでニートだ、違う、ニートは俺だ。しかし今はそんな事はどうでもいい、 駄目さを感じるのは貯金通帳だけでいい。 僕は仮説をいくつか立ててみた ①僕が2次元の世界に迷い込んでしまった ②水銀燈は僕の幻覚 とりあえず、①から検証してみようと水銀燈に「真紅のマスターって眼鏡の少年?」と聞いてみた。 水銀燈はうつ伏せになり、肘を立て読んでいた本から目をはなし、僕を見た。 「真紅のマスタァ?おっさんよ、おっさん」水銀燈はめんどくさそうに答える。 どうやら、ローゼンメイデンの世界ではないらしい。 「真紅の事が気になるのぉ?」 「いや何となくだよ」 「それより、何で真紅の事知ってるのよぉ・・・・・私ぃ、一度も話したことないわよぉ?」 「前、本で読んだんだ」と軽く受け流した。 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 03 33 26.83 ID ZuvhborM0 それじゃあ、次は②の検証か 「ヤクルト好き?」 この水銀燈が仮定どおりなら、僕のイメージが具現化したような物だろう。 だから幻覚の水銀燈なら「好きだ」と答える・・・・・・はず。 「あら、よく知ってるわねぇ。買ってきたのぉ?」 「いや、聞いてみただけ」 「使えないガキねぇ・・・・・・」 水銀燈が小さく吐き捨てた。 なんだ、やっぱり幻覚か。自分の幻覚、まぼろしに1週間もヘコヘコしてきたのかと思うと馬鹿らしくなってきた。 そういえば名前教えてないのに僕の名前を呼んだこともあったしなと、 僕はベットの上に寝転んでいる水銀燈の隣に横になった。 「ちょっとぉ、邪魔よぉ」 水銀燈が僕をお尻でベットからおいやろうと突いてきた。 「久しぶりに昼寝がしたいんだよ、もっと詰めてくれ」 水銀燈のわき腹を手のひらで押した。 「まったく、急に生意気に」ブツブツと文句を言いながらスペースを開けてくれた。 自分の幻覚にまで下に見られるとは思わなかったな。 「もう、詰めすぎよ!半分だけになさぁい!」 僕は片足を蜜のような睡眠に足を突っ込みながら、水銀燈の言葉を聞いた。 久しぶりに、ベットで昼寝をするな、いつぶりだっけ・・・・・・あっ、1週間ぶりか。 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 03 46 45.95 ID ZuvhborM0 次に目が覚めたのは夕方だった水銀燈は相変わらず隣で本を読んでいた。 僕は水を飲むためベットから起き上がり、水銀燈は僕をチラリと見ただけで再び本に目を落とした。 「きゃっ!」 水銀燈が肩をすくめて悲鳴を上げた。 「ちょっと、何すんのよ!」 「アイス、食べる?」 「はぁ?」 水銀燈は顔をしかめ、不満を声にして僕に伝えてきた。 「ヤクルトは今手元にないし、甘そうなのはこれしかなかったから」 僕は水銀燈にカップアイス『ゆずレモン』を手渡した。 「あ、ありが・・・・・と」 水銀燈は両手でカップアイスを包み込むように膝の上で持ち、左下の方を見ていた。 僕と水銀燈はベットで並んで座り、一緒にアイスを食べた。 まったく、僕は自分の幻覚に何で気を使ってるんだろうな・・・・・・馬鹿だからか。 一人でそう結論付けていると横から「あら、以外にいけるわねぇ」との声が聞こえてきた。 幻覚でも、こういう反応を見せてくれるとむしょうに嬉しくなった。 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 03 59 01.98 ID ZuvhborM0 青い空には白い鱗が並んでいた。 夏の間うるさいほど鳴いていた蝉は、赤道辺りにでもバカンスに行ってるのかもしれない。 そんな事を考えさせる日だった。 「ねえ、何読んでるの?」 僕は隣に寝転び本を読んでいた水銀燈に聞いた。 水銀燈は僕に本の表紙を見せた。 「ねえねえ、何読んでるの?」 ホッペをプニプニしながら水銀燈に僕は再び聞いた。 今度は本の表紙を僕の目の前に突き出し、3秒ほど溜めたあと 「おわかりぃ?」と言った。いや、最初から分ってたんだけどね。 「それ面白い?」 「ええ」 素っ気無く答える水銀燈。 「どんな内容?」 水銀燈は僕をじいと半目で見つめ 「あなた、私の邪魔をしたいの?」と言った。 「そんな事ないよ」 邪魔をしたいんじゃない、構って欲しいのだ。 水銀燈は僕を同じように半目で見つめ、諦めたように溜息をつき本を閉じた。 「はぁ、じゃあ今日は何をするぅ?」 「何しようか」 「あなたが誘ったんだから、決めときなさいよぉ」 「じゃあ、一緒になにするか考えようよ」 「いつもと同じじゃない」と水銀燈が小さく呟いたが、不快感をその言の葉からは感じ取れなかった。 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 11 55.90 ID ZuvhborM0 僕は、そんな水銀燈とのささいな言葉のやり取りがとても楽しかった。 昔、ちょとした出来事がきっかけで、僕は友達を作る事が出来なくなってしまっていた。 人と話す事は出来るのだが、それもごく僅かな時間だけだった。 つまり、一人ぼっちになるしかなかったのだ。 そして、灰色の学生生活を終え、今は細々と一人で暮している。 アパートが古い事、大家と知り合いだったと言う事、元々小食だったと言う事、 金遣いも荒くなかった事、これらが重なり合い、少ない生活費でも生活する事が出来ていた。 しかし、僕は飢えていた。人とのコミュニケーションに飢えていたのだ。 インターネットのディスプレイ越しに人と会話は出来るが、これとは違う、もっと別の何か、生の温もりのようなものだ。 そんな温もりを、水銀燈は僕に与えてくれた。 触れば暖かく、話しかければ言葉を返し、機嫌が悪い時にはそれが表れる。 そんな生の温もりを、水銀燈は僕に与えてくれた。 僕はとても嬉しかった、たとえそれが、まやかしだとしても。 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 21 28.21 ID ZuvhborM0 しかし、まやかしである水銀燈だからこそ、僕は彼女とこんな風に接する事が出来るのだろう。 これが同じ2次元キャラクターでも、人間のキャラだったらこうはならなかったと思う。 そもそも、僕が水銀燈に惹かれたのは、人間ではなく人形だったからだ。 人の都合で作られた、人より劣った人形だからだ。 前に「友達が作れなくなってしまった」と言っていたと思うが、本当はそうじゃない 人間が怖かったのだ、いつ裏切るとも知らない人間が怖かったのだ。 皮膚一枚剥けば欲望がドロドロと滲み出る人間が、怖かったのだ。 しかし、僕も人間だ、人は人なしには生きていけない。 僕は僕をすり減らしながら生きていた、昔、人から感じた暖かさを思い出しながら。 そんな磨り減った僕が、水銀燈の幻覚を見始めた。 人の温かさを懐かしみながらも、人より劣った、人の都合で生れ落ちた人形の少女。 僕はそんな、まやかしの人形の少女の温もりによって、救われていたのだ。 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 33 29.66 ID ZuvhborM0 僕は水銀燈の髪を櫛で梳いていた。 正直な所。全ては僕の脳内で起こっている出来事なのだから 彼女の髪の毛を櫛でとかす必要などないし、僕のイメージ力次第でサラサラヘアを維持できるはずなのだ。 はずなのだが、彼女が首を動かすたびに凪いでいる海面を一陣の風が撫でるように揺れ、 その銀色の髪をすくい上げると、砂のように僕の指の間を流れゆく。 まるで、本物の水銀燈が僕の目の前に居て、その髪の毛を本当に僕が触ってるような そんな錯覚にすら陥る。しかし、これは幻覚なのだ、だが、もしかすると・・・・・・。 「ねぇ、さっきから腕が止まってるんですけどぉ」 僕の考えを水銀燈が遮り口を開いた。 「あ、ごめん」 再び水銀燈の銀色の髪に櫛を入れ、下に梳く。 櫛は何の抵抗もなく下に流れるのだが、指で彼女の髪を透くと「何となく痛んでいる」 そんな風に感じるのだ。何か、暖かさが足りないような、そんな曖昧であやふやな、そんな感じを、だ。 今までは、こんな感じを受ける事なんてなかった。 きっと、僕は昔に。まだ人の温かさを素直に感じ取れていた、そんな時代に戻っているんだろう。 「綺麗な髪だね」 「当然じゃなぁい、毎日の手入れしてるんだからぁ」 褒められ、彼女もまんざらじゃなさそうであった。 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 42 52.76 ID ZuvhborM0 「ねぇ」と水銀燈が言う。 「なんだい」 「マサユキには友達は居ないの?」 「えっ?」 髪を梳く手が止まる。 「他に人間と話している所を見た事がないわぁ」 くいと、とっくの昔に解約していた携帯電話を顎で指した。 「あ、ほら、僕は水銀燈と一緒にいたいから」 言葉がつまる。 「ねえ」 やめてくれ 「あなたは」 その先を言わないでくれ。 せっかく、水銀燈を見始め忘れ始めていたと言うのに! 「一人ぼっちなのぉ?」 「あっ、そ、いや」 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 43 21.38 ID ZuvhborM0 そうだ、そうなんだ、僕は一人ぼっちなんだ。 今は、水銀燈と一緒に居るが、この子は’まぼろし’、僕が見ている幻覚だ。 僕はあの日から、ずっと一人ぼっちのまま・・・・・・。 臭い物に蓋をし、弱くなった心に一気に今までの事が突き抜けていく。 「まあ、そんな貴方だけど、私が一緒に居たげるから感謝なさぁ」 ふふん。と水銀燈は得意気に鼻で笑った。 そんな彼女の言葉は彼の鼓膜を揺らしただけで、言葉として捕らえられる事はなかった。 「・・・・・・なんとか、いいなさいよぉ」 少しばつが悪そうに水銀燈が言う。ほんのりと頬が朱に染まっていた。 彼の手から櫛が床にコトリと落ちた。 「あれ、どうしたのぉ?」 水銀燈も彼の異変を察したのか声色を戻し言う。 「いや、ごめん。ちょと疲れたから、寝るね」 「あ、ちょと。まだ途中じゃ──あっ」 彼女の言葉は彼が頭から引っかぶった布団に遮られた。 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 49 13.54 ID ZuvhborM0 「もうっ、なんなのよっ!」 一人残された水銀燈が忌々しげに吐き捨てた。 暫く苛立たしそうに辺りを歩き回ったり、椅子に座りギコギコと動かしたり、ぶつぶつと怒りの言葉を呟いたりと、 怒りを散らしていたが、ベットの方から何か聞こえてくる。 何かと耳を澄ませると、押し殺したような嗚咽のような、鼻を啜るような、そんな音が聞こえてくるのだ。 よく見れば布団もかすかに震えていた。 彼女は口を紡ぎ、何か考え込み、彼のベットの直ぐ脇に腰を下ろした。 次第に彼の嗚咽の声が小さくなり、呼吸が穏やかになる。深い眠りに落ちたのだ。 だが水銀燈は彼が眠り、水銀燈を認識しなくなっても、彼のベットの脇から消えず、彼が起きるのをじっと待っていた。 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 58 14.88 ID ZuvhborM0 次に僕が目が覚めたのは、真っ赤に燃えた空が印象的な次の日の夕方だった。 僕はベットの上で首だけ動かし空を見た。 胃の辺りがムカムカとしてきた。 そういえば、昨日の昼から何も食べてない。どれ、と鉛のような体を起した。 上半身だけ起すと何かが胸の辺りから腰まで滑り落ちた。 水銀燈だ。 彼女は目をパチパチとさせながら辺りを見、猫のように目を擦りながら 「おはよぉ・・・・・・それにしても、酷い顔ねぇ」と微笑んだ。 どうやら、僕の胸の上でウトウトとまどろんでいたようだ。 酷い顔なのは鏡を見なくても分る、あれだけ泣いたんだ、目なんてパンパンだろう。 それにしても、久しぶりに泣いた。いつからだったかな、泣かなくなったのは・・・・・。 「お腹へったから何か用意しなさいよぉ」 「でも、その前に顔を洗った方がいいわねぇ」と優しく微笑んできた。 水銀燈が、この、僕が作り上げた’まぼろし’が。僕が押さえ込んでいた物の呼び水になってしまった。 僕は水銀燈の言葉に答えずに足早に洗面所へと向かった。 後ろから「ふふ、少しは身だしなみに注意しようとしてるのねぇ、成長成長」と一人細く微笑む水銀燈の声が聞こえてきた。 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 08 59.38 ID ZuvhborM0 ちゃぶ台をはさみ、僕と水銀燈はビックカップラーメンニンニク抜きを食べていた。 直ぐ何かを食べたかったのもあるし、何かを作る気力が失せていたのだ。 まるで水銀燈を見始める前の食事みたいだと一人思う。 対する水銀燈は何か不満そうだった。人形の、まぼろしの癖にインスタント食品を嫌うなんてね。 変にリアリティを追求するまぼろしに、僕は笑う気すら失せてしまっていた。 「晩──じゃなくてぇ、明日の朝はお味噌汁作りなさいよぉ」 自分の顔がスッポリはいるようなカップから汁を啜る合間に水銀燈が言う。 「ああ」 僕は水銀燈のまぼろしに返事をした。 まぼろしなんだ、本物の水銀燈なんかじゃない。全部、僕が作り出した物なんだ。 あのまぼろしは僕に優しくするふりをして、結局は僕の心をかき乱すのが目的だったんだ。 思い出せよ、忘れてた頃に、完璧に気が緩んだタイミングを見計らって、あいつは昔の事を思い出させてくれたろ? そんなアイツにまだ僕は縋ろうって言うのか? 僕はそんなに弱かったのか? 僕はいままでずっと、一人だったじゃないか。ずっと、一人で・・・・・・。 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 19 02.84 ID ZuvhborM0 「はい」 僕の前にアイスが置かれていた。 「デザートにどうぞぉ」 「あ、ああ」 あの顔で微笑まれ、あの優しい声で話しかけられると、僕の軽石のような心に黒く、暖かいタールが染みこんで行く様な そんな気すらする。暖かい、暖かい物が胸の奥へ、奥へと染みこんで行くのだ。 「これおいしいわよねぇ」 と、プラスチックの小さなスプーンでシャキシャキとゆずレモンの身を削る。 氷の削れる音は僕の心に染みこんで行くタールをこそぎ落としているような気がした。 「ねえ」 「んー?」 僕は最後に、本当にこれで最後にしようと、彼女に質問を投げかけた。 「昨日、何処で寝てたの?」 まあ、僕が寝てしまい、僕が彼女を認識しなくなれば彼女は存在出来なくなるのだから、こんな質問は意味が無いか。 僕が寝たら彼女は消え、僕が起きたら彼女が現れ、それの繰り返しだ。 だから彼女は「鞄で寝た」と、答えるはずだ、僕が僕を騙すために、日々に整合性を持たせるために。 だけど、もし、それ以外の答えが出たら、もう、僕は彼女から───。 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 23 39.01 ID ZuvhborM0 「隣よ」 一言、水銀燈がそう言った。 「え?」 「だァかぁらぁ、あなたの隣で寝てたの 分ったぁ?」 「鞄で、寝るんじゃ」 「そりゃ、まあケースバイケースよ」 言い終わった後自分の駄洒落に気づいたのかふふんと笑った。 どうやら、彼女のまぼろしは、いや、もう何でもいい・・・・・・彼女は、水銀燈はどうやっても僕を逃さないつもりだ。 結局、初めて彼女を見た時から、こうなる事は分っていたんだ。 彼女に出会うちょと前か、それよりずっと前か、僕の心は既にボロボロだったんだ。 そんな僕が、あんなに優しくされたら。 「ちょ、ちょと、何泣いてるのよぉ!」 彼女がちゃぶ台に手を突き立ち上がった。 「来るなっ!」 僕は叫んだ、嗚咽にまみれた声だったから、正確に彼女には届かなかったかもしれない。 だけど、僕の叫びを聞いて、彼女はその場で動きを止めてくれた。 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 28 49.19 ID ZuvhborM0 「こないで、くれ。もし、もう一度君に微笑みかけられたら もし、もう一度君に話しかけられたら、もし、もう一度君に触れられたら」 ここでいったん止め、息を吸った。 「君なしでは、いられなくなってしまう」 この時、僕は自分の細い腕で自分の体を、頭を抱きしめていた。 まるで小さい子供が強い衝撃から身を守るため、自然に体を丸くしたような、そんな風に、丸く、小さくなっていた。 秋の空気が僕の肉に、骨に染みていった。 それから、どのくらいの時間が経っただろうか。僕の体は抱きしめられ、頭には小さく、 柔らかく、そしてとても暖かいものが添えられ、肩をポンポンと一定のリズムで叩かれていた。 「いいじゃない、一緒に、生きて行きましょうよ」 彼女の言葉が春の木漏れ日のように、僕に染みこんで行く。 「もっと、私に甘えて、私なしじゃ生きられないようになっちゃいなさいよぉ」 彼女の言葉はまるで高純度の麻薬のように、僕の心を捉えて放さなかった。 僕は彼女に抱きしめられたまま、大きな声で泣き始めた。 もう、水銀燈でも何でも、縋る事が出来、僕に優しくしてくれるものなら、なんでもよかったのかもしれない。 だけど、水銀燈だから、そう思えたと、僕は信じたい。 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 33 17.22 ID ZuvhborM0 僕と水銀燈はベットの上で、一緒に布団に包まっていた。 あれから色々な事を一緒に話した。 互いの秘密に、過去に触れ合った。 それは肉体的なまぐわりではなく、心の、精神的なまぐわいのようなものだった。 何か、自分の中ではとても大きな物だと思っていた物が、話してみたら あっけなく口から出てしまったりと、意外な一面もあったが 僕は完全に心を開いていた、水銀燈が居ないとこの先、生きていけないほどに。 「ねえ」 水銀燈が僕の顔の直ぐ横で口を開いた。 「私達、まだ契約してなかったわよねぇ」 そう言えばそうだ、普通一番最初にする物じゃないか。 「今からでも、間に合うかな」 「どうかしらぁ、私が契約を持ってくる側なら、今までほったらかしにされてて、凄く怒ってるかもぉ」 「じゃあ、早くしないと」 僕と水銀燈は布団に包まったまま起き上がり、ベットの上で面と向かい合った。 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 35 51.78 ID ZuvhborM0 「誓いなさぁい、この薔薇の指輪に」 水銀燈が布団の間から手を差し出し、僕の薬指に指輪をはめた。 普通は男がする物なんだろうが、この際気にしない事にした。 そして、僕は彼女の左手をうやうやしく受け取ると、薬指の輝く薔薇の指輪にキスをした。 すると同時に、僕の左薬指が燃えるように熱くなり、指に吸い付くように形が変った。 「これからも、よろしくねぇ」 「ああ、よろしく」 二人の秘め事はこれで終わりのはずなのに、二人とも動こうとはしない。 「なんかさ、結婚式みたいだね」 おずおずと、僕は彼女の顔を見ながらこう言った。 「・・・・・・うん」 水銀燈は顎を引き、小さく頷く。 僕は彼女の頭に引っかかっていた布団を両手で後ろにやり、彼女の肩を掴んだ。 そして、彼女の赤い瞳を覗き込む。 すう、と瞳が閉じられ赤い瞳が長いマツゲと象牙のように白い皮膚に隠された。 そして僕は、彼女を優しく胸の中に引き寄せた。 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 45 18.85 ID ZuvhborM0 早朝、空が青らみ秋虫の鳴声より二人の息遣いの方が大きく聞こえる距離で、 僕はお願い事を一つ、水銀燈の耳元で囁いた。 水銀燈は、僕のお願いを聞いた瞬間、肘を立て起き上がり、僕の顔を覗き込んだ。 「それ、本気で言っているのぉ?」 僕は何も言わず、青みががかった空のような微笑みを返した。 水銀燈は目を閉じ、僕の胸の中に顔を鎮め、僕は水銀燈を抱きしめた。 長い銀髪が僕の顎裏を擽っていた。 しばらく、そうしていただろうか、僕が口を開いた。 「ねえ、ヤクルトは何で好きになったの?」 「んっ・・・・・・ヤクルトなんて、飲んだ事ないわぁ」 「そっか」 「あなたに、話を合わせたかったからぁ、ああ言ったのよぉ」 何となく、気づいていた。 この質問自体には意味が無かったのかもしれない、だけど、僕は何か水銀燈と喋りたかったのだ。 「でも、機会があったら、飲んでみるわねぇ」 「ああ、きっと好きになると思うよ」 それっきり、僕たちの間から言葉は消えた。 辺りは、カーテンを通し差し込む青い光りと、秋虫の鳴声だけが支配していた。 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 47 39.61 ID ZuvhborM0 太陽が東の空に高く上がり、陽の白い光りが彼らが寝ていたベットを照らし出した。 ぽつんぽつんと台所の蛇口からシンクに二つ重ね、置きっぱなしにされた ビックカップラーメンカップにのポトポトと水が滴り落ちていた。 彼らが短い間であったが、一緒に生活した小さなボロアパートの一室には、 水の音だけが寂しく空間を震わせていた。 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 48 30.66 ID ZuvhborM0 暗く、常に雪が降り続ける寂れた町並みの一角に水銀灯が 歯を剥いてオレンジ色の光りを放っている場所があった。 ここは水銀燈のフィールドの水銀燈の部屋。 彼女は暖炉の前の年季が入ったが、綻びなどがなくドッシリと構えたソファに 一体の人形と腰を並べて座っていた。 暖炉には火が入っていないはずなのに、部屋の中はオレンジの明りに暖かく 照らされていた。オレンジの明りは水銀燈の顔から生の色合いを全て奪い去り、 まるで死んでるかのようにノッペリと照らし出していた。 暖炉の上の上に置いてある時計の長針がⅩⅠを指していた。 あと、五分足らずでミーディアムを失った私は、また、永い眠りに入るだろう。 思えば変な出会いだった、メイメイが変な手紙で見つけた男の所に行って、 色々あったけどミーディアムにして、それから───。 水銀燈は隣においてあった人形の方を向いて、指先でうりうりと人形の頭を撫でた。 ガチン。歯車が噛合い時計の長針が動く、あと一回動いたら、全て終わる。 水銀燈は暖炉の前のソファーから人形を抱き上げ立ち上がり、奥の部屋にあるベットルームに足を運んだ。 皺一つ無いベットの横に、鞄が一つ置かれていた。 水銀燈はベットの枕に頭が乗るように人形を置き、顔を近づけた。 10秒ほど、そのままだったろうか、それから顔をあげ 「もう、私にはミーディアムは必要ないわぁ。さようなら、まさゆき」 ポタリと何かが人形の上に落ちた。 それに構わず、水銀燈は自分の鞄の中に入り、鐘が鳴り響く前に自ら鞄の蓋を閉じた。 同時に、ごおん、ごおんと外から鐘を打ち鳴らす音が、 窓ガラスを震わせ、部屋に伝わってきた。 その響きは強く、とても大きく、まぼろしなどかき消していまうかのように。 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 48 46.17 ID ZuvhborM0 水銀燈とまぼろし 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 49 01.63 ID ZuvhborM0 終わりです、おつかれさまでした 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 56 36.98 ID 4NKFL9ySO 過疎ってるな 久々のまーくんスレなのに 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 57 09.01 ID ZuvhborM0 まあ、この時間だししゃーないさ 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 08 35 51.92 ID ZuvhborM0 水銀燈のミーディアムデビュー 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 08 37 00.82 ID ZuvhborM0 場所は桜田家のリビング、薔薇姉妹達が一堂に集まり茶会を開いていた。 水銀燈はソファーの端に座り、真紅を中心に行われている会話を、 輪の外から見ていた。「ひとり仲間の輪から外れて私カッコイイ」的風潮に浸りたいのではなく、 自宅で自分のミーディアムにネチネチと絡まれ、中々家を出る事が出来ず 彼女が到着した時には既に茶会が始まっており、 座れる場所がソファーの端しかなく、既に会話グループも形成されていた、ただそれだけの事であった。 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 08 42 04.50 ID ZuvhborM0 机の上には所狭しとお菓子が並べてあった。これらは各自、家から最低一品持ってくる約束だったのだが 水銀燈は手ぶらで来てしまい、目の前に並べられたお菓子に、中々手を出せずにいた。 ミーディアムに絡まれ、文字通りその手の内から抜け出した時 には茶会の開始時刻を過ぎており、慌てて用意してもらったお菓子を忘れ 家を飛び出してきてしまったのである。つくづくついていない、彼女の最凶の名は伊達じゃない。 真紅は「気にする事はないわ、沢山あるのだから」と言ってくれたが、 長女の威厳というか、プライドが邪魔をしていた。 ヤクルト味のゼリー食べたいわぁと思いながら、出発前に絡んできた ミーディアムを頭の中で叱りつけたり、家に帰ってからこのお菓子を買ってもらう為の シナリオを原稿用紙に下書きをしたりしていた。 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 08 54 25.29 ID ZuvhborM0 「───わ」 「えっ?」 真紅が私に何か語りかけていた。 「ご、ごめんねぇ、聞いてなかったわぁ」 水銀燈は思い出したかのように、自分の紅茶に砂糖を入れ始めた。 紅茶のカップを片手に僅かに眉を上げたが、気にせず続けた。 「水銀燈、あなたのミーディアムはどのような人物なのだわ」 真紅が紅茶カップを受け皿に戻した。 「そういやそうです、翠星石も一度も見た事がないです」 「ヒナも知らないのよ」 翠星石と雛苺が食いついてきた。釣堀の魚より反応がいい。 蒼星石は話しに入らず紅茶を飲んでいたが耳に神経を集中させている。 他の姉妹達も話を止め、水銀燈の方を見た。 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 09 07 55.26 ID ZuvhborM0 みなの視線に負けず、極力普段の彼を思い出さないようにして 「そりゃ、私のミーディアムに相応しい、立派な人間に決まってるじゃなぁい」 姉妹の中で一番大きいであろう胸を張り言い、 砂糖のサジを瓶に戻し、次にミルクを紅茶に注ぐ。 「それなら、一度家に連れて来なさい」 真紅が眼を閉じ、自分の紅茶カップに口をつけんながらそう言った。 想定の範囲外だ。 「えっ。いや、あなたのミーディアムにも、迷惑がかかると思うしぃ・・・・・・」 張った胸そのままに目を泳がせながら言う。 ミルクがカップから溢れ、受け皿にあふれ出す。 「気にしないのだわ」 首を回し、おさげを宙に泳がせながらそう言った。 「で、でもぉ」 水銀燈はカラッポになったミルク瓶を注ぐ姿勢のそのままに構えていた。 受け皿の表面張力でテーブルの純潔は守られていたが、少しでも振動を加えたらドカンであろう。 「姉妹として確認しておく必要があるのだわ」 カップから口を放し、水銀燈をその蒼い目で見つめ 「それとも何か、人前に出せないような、何らかの事情があれば仕方がないのだけれど」 止めを刺した。 蒼星石が二杯目の紅茶の為にミルクに手を伸ばそうとして溜息をついた。 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 09 13 47.70 ID uinZJ9fPO これはまた別の話? 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 09 18 06.19 ID ZuvhborM0 はい、違う話しです。 一つの話しが終わったら適当にタイミングを見計らって、違う話を書き込んだりしますよ、 次へ
https://w.atwiki.jp/suiginto/pages/80.html
水銀燈「konozama」 http //wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1193901229/ 1~
https://w.atwiki.jp/suiginto/pages/107.html
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 02 14.10 ID TxBN4K740 雨が降っていた。 鉛色の雲が空を覆い、町は昼間だというのに薄暗い。 軒下から、空を見る瞳で冬の雲を見つめる少女が居た。 その目鼻立ちは整い、印象的な赤い眼をしている。 銀の髪は雨に濡れて白い頬に張り付き、ドレスは夜闇のようになっていた。 ここまでなら何処にでもありそうな光景だが、彼女の場合は少し違っていた。 浮いていたのだ。 彼女は背中から生え出た黒い二本の羽で、宙に浮いていた。 それに、よく見ると尺度もおかしい。隣に並んだ窓が大きく見える。 吐き出す息が白い。 手の平を紫に染まった唇を隠すように持ち上げ、己の息を吐きかけた。 彼女の手首に丸い球、球体間接が見える。 そう、彼女は人形だったのだ。 5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 05 35.62 ID TxBN4K740 雨は一向に止む気配がなかった。 彼女は自分を強く抱きしめるように腕を組み、背中を窓に預けた。 「あらっ……ちょっ、えっ?」 彼女は自分の疑問を言葉に出来ないまま、床に積もった埃を舞い上げていた。 後頭部を摩りながら自分が背を預けた窓を見上げると、内開きの鍵が掛かっていない 窓が、自分の体が滑り込むだけに必要な分だけが開いているのが見えた。 「内開き……」と彼女は恨めしそうに呟いた。 「おい」と部屋の暗がりから声がした。 彼女は声がした方に注意を払いながらゆっくりと姿勢を起し、 「誰?」と薄い氷のような声で言った。 「誰? じゃねえよ、馬鹿。お前こそ誰だよ」 彼女は少しだけ不機嫌そうな顔になり「水銀燈」と答えた。 「俺はピーちゃん、鳥だよ。……オスだけどね」 10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 10 03.35 ID TxBN4K740 埃が積もった物置部屋の一角に、銀色の鳥籠が置いてあった。 時を止められ、セピア色に染め上げられた物に囲まれた銀の鳥籠は、 セピアの侵食を避け、不思議な色を放っていた。曇り空のせいかもしれない。 「鳥?」 「そう、鳥だよ。お前も鳥だろ?」 「私は人形よ、鳥じゃないわ」 自分の手首の球体間接の具合を確かめるように動かしながら言う。 「そうなのか。羽があるから、てっきり仲間だと思ったんだ。ごめん」 鳥籠の中から、済まなさそうに頭を垂れながら鳥は言う。 「……別に、謝る事じゃないわよ」と彼女、水銀燈は言った。 16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 14 55.29 ID TxBN4K740 水銀燈と鳥の間に、埃がゆっくりと古い時代の匂いを巻き上げながら流れていた。 「邪魔したわね」と埃を舞い上げる事なく浮かび上がり、水銀燈が言った。 「お、おい、ちょっと待てよ。外は雨が降っている、上がるまでここに居たらいいじゃないか」 鳥籠の中でバタバタと羽を動かしながら鳥が言う。 「……それも、そうね」と水銀燈が水色をしていない、窓を流れる雨粒を見ながら言った。 水銀燈は雨が上がるまで自分の腰を落ち着けられる場所を探すが、適当な場所が見つからない。 どこもかしこも埃が幾重もの層になり、積み重なっている。 現に、自分が転がり落ちた場所には不恰好な跡が残っていた。 出来る事なら今すぐにでもその跡を消したかったが、埃が舞うのでやめた。 18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 19 42.46 ID TxBN4K740 キョロキョロと辺りを見渡していると、鳥が口を開いた。 「そこのシートを取ると──そう、それ。ゆっくりとだぞ、埃が舞うから」 言われた通りにシートを取ると、中からリクライニングチェアーが出てきた。 椅子のクッションカラーはミッドナイトブルーで、良く見ると 同じトーンの色を使ったドット模様だった。 「それで?」と水銀燈が言った。手にはまだシートの端が握られている。 「座る場所を探していたんだろ?」 不思議そうに鳥は首をかしげた 「そうなんだけれど……」と水銀燈が椅子を見ながら言う。 「なんか、汚くない?」 目玉焼きを作るつもりが、消し炭になってしまった時のような顔で水銀燈が言った。 「じゃあ座らない?」 窓を流れる雨粒を見、埃の断層の数を数えて水銀燈が折れた。 椅子に腰を下ろすと、カビの臭いと一緒に湿った太陽の匂いがヒンヤリと香りたった。 「どうだい、座り心地は」と鳥が言った。 「まあまあね」と水銀燈は椅子の背に自分の体重を預ける。 19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 22 34.75 ID TxBN4K740 __ /{・} `ヽ /¨`ヽ {・} | ヽ ._.イl / ヘ_/ノ_,,,.ノ | /  ̄ ̄ ̄\ / ― ―\ / ● ● \ | (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / 22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 25 00.73 ID TxBN4K740 雨が空を濡らす音だけが、埃っぽい物置部屋に流れていた。 「そういえば」と水銀燈が口を開いた。 「なんだい?」と止まり木の上で鳥が言った。 「なんであんたはこんな場所に居るの? 人間の事はよく分らないけれど、 普通はこんな場所に置かないんじゃないのかしら」 「聞きたい?」と鳥は声に嬉々を含んだ声で言う。 「別に。言いたくなきゃそれでいいわよ」と水銀燈は肩を竦めた。 「最初はね、俺も一階の広い部屋に居たんだ」 鳥は難しい顔をして一人で語り始めた。 「いや、もっと最初から話そう。俺はここの娘にプレゼントされたんだ。 ほら、俺って可愛いだろ? 愛玩にぴったりじゃないか。 ──まあ、そんなしてこの家に来たんだ。えらく可愛がられてたよ 『ぴーちゃん』『ぴーちゃん』ってね、愛玩動物明利に尽きるよ。俺オスなのに。 そんなある日娘が咳き込み始めてね、とても酷い咳だった。 内臓を全部吐き出すんじゃないかってぐらいにね。 だから俺はこっちに移されたのさ」 「それだけ?」と水銀燈が言った。 鳥が頷いた。 「ここの娘が咳をしたら、なんであんたがこの部屋に移されるの?」 「雑菌? ハウスダスト? そういうのが原因らしいかったから」 水銀燈は自分口を手で覆った。 23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 29 49.71 ID TxBN4K740 水銀燈は足を組み、膝の上に肘をのせ、顎を手の平の上に置いた。 「ふーん? それじゃあアンタは死ぬまでここに居るの?」 「さあ、どうだろうね。そんなに俺の事が心配?」 止まり木の端まで移動し、鳥は言った。 「別に」と水銀燈はつまらなそうに返す。 「まあ、いいさ。それより、ほら」と鳥が嘴で窓を指した。 水銀燈の口から溜息のような声が漏れる。 厚ぼったい鉛雲を切り裂くように光りが差し込み、蛇の腹のような アスファルトにその剣先を当てていた。 「雨上がる、だな」と鳥が言った。 「そうね。それじゃあ、そろそろお暇しようかしら」 水銀燈はそう言うと、静かに腰を上げ音も無く飛び上がった。 「ああ、また遊びに来いよ。今度はお土産持って」と鳥が言った。 窓枠に手をかけ、頭を傾げるように鳥の方を見た水銀燈は思い出したように鳥に尋ねた。 「ところで、あんたってスズメ?」 「バーカ違うよ。十姉妹だよ」 怒ったように羽をばたつかせる十姉妹を見て水銀燈は肩を竦めて小さく微笑み、飛び立った。 「あいつ、窓閉めずに帰りやがった」と十姉妹は一人呟いた。 25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 35 35.02 ID TxBN4K740 「窓、開けっ放しじゃない」 「無用心ね」と水銀燈が窓辺に立ち言った。手には紙袋を提げている。 「お前が閉めて行かなかったからだろ。俺は檻の中だし」 十姉妹は自分の羽毛に顔を沈めていた。 寒さに弱いのかもしれない。水鳥を見習って欲しいものである。 「あと、これ」と水銀燈が紙袋から、薄紙に包まれた物を取り出した。 「お土産?」と十姉妹が聞くと、「そう。ヒヨコよ、ヒヨコ」と水銀燈が答えた。 それを聞いて十姉妹はヘップリを噛み潰したような顔をした。 「なに、食べないの?」 水銀燈は鳥籠の扉を開け、餌置き場に一つ、ヒヨコを置いた。 「……ありがとう」とヒヨコの頭を十姉妹が突く。 「喜んで貰えて何よりよ」と水銀燈が言った。 26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 40 53.45 ID TxBN4K740 十姉妹がプラトレーを突くように水を飲んでいると(実際コツンコツンと音がしていた) 水銀燈がこんな事を言った。 「くんくん探偵って知ってる?」 「ああ、知ってるよ。テレビだ」と十姉妹は答えた。 「そう、テレビね。昨日のクンクン探偵は、こんな話しだったの」 先を促すように、十姉妹はチュチュンと鳴いた。鳴き声はスズメに似ていた。 「アライグマ君がね、熊おじさんを殺してしまうの。殺した理由はね、 自分のフィアンセのネズミさんを 熊おじさんに暴力的にレイプされて、 ネズミさんが自ら命を絶ってしまった事による復讐なの。ここまでは、よくありそうな話でしょ?」 「ああ、ありそうだね」と十姉妹は返した。 「でも、流石はクンクン探偵ね。アライグマ君のトリックを簡単に見破るのよ。 そして、猫刑事に連れて行かれる途中で、アライグマ君は自分の舌を 噛み千切って死ぬのよ、なんでだと思う?」 「なんでだったの?」と十姉妹は聞いた。 「私が質問してるのよ、あなたが答えたら教えたげる」 水銀燈の口元には柔らかな笑みが浮かんでいた。 28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 45 42.48 ID TxBN4K740 「そうだね……月並みな答えになるけど『生きる理由がなくなった』からかな」 「あら、どうしてかしら?」 「アライグマ君の生きる理由はネズミさんだった。だけれど、熊おじさんにそれを奪われ、 その復讐の為だけにアライグマ君は生きていた。アライグマ君は熊おじさんを殺し、 彼の罪を白日の元に曝け出す事に成功した。彼はこれで自分の人生に満足したというか、 生きる意味を見失ってしまった。だから死んだんじゃないのかな」 十姉妹は小さな嘴をカチカチと打ち鳴らしながら、一気に喋った。 「どうだい、クンクン探偵も真っ青な推理だろ?」と十姉妹は付け足したが、水銀燈はそれを無視し 「あなたには、生きる理由があるの?」と聞いた。 十姉妹は、トントントンと止まり木を右に三歩移動して 「さあね、忘れちゃったよ。俺は鳥頭だから、三歩歩くと忘れちゃうんだ」と言った。 「君の生きている理由は?」と十姉妹が聞くと、水銀燈は鳥籠の前から三歩横に歩き 「忘れちゃったわ」と言った。 「そうか。それじゃあ、本当の答えは?」と質問を続けると、水銀燈は首を振って「それも、忘れちゃった」 「困ったな……それだと、今日は部屋が暗くなっても寝れそうにない」 十姉妹は鳥目をパチクリとさせそう言った。 29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 50 08.82 ID TxBN4K740 水銀燈は「それじゃあね」と言い窓から飛び立とうとするが、十姉妹が呼び止めた。 「最後に、このケージの鍵を外してくれないか?」 水銀燈の頬に、硬く冷たい冬の風が窓の隙間から悪意を持ってぶつかって来た。 「春まで待ちなさいよ」 「俺の先祖はコシジロキンバラと言ってね、インドから来たらしい。だから日本の冬は俺には辛いのさ」 「それに、可愛いガールフレンドも居ないし」と十姉妹は付け加えた。 「あんた、インドが何処にあるか知ってるの?」 「左」と十姉妹は答えた。 「そう。まっ、あんたの選んだ道なんだから、せいぜい後悔しないようになさい」 水銀燈が鳥籠の鍵を外した。 十姉妹は軋んだ音を立て、開いた扉を見つめていた。 鉛色のはぐれ雲が窓の端から端へと消えた。 「やっぱり春まで待つ?」と水銀燈が声を掛けると 水銀燈の顔の直ぐ横を、茶色の影が横切った。 茶色の影、十姉妹の背を追った水銀燈が太陽に目を細めた。 十姉妹の影を探そうとするが、既に彼の茶色い影は透き通るような青空に溶けて、消えてしまっていた。 鳥を失った銀の鳥籠は、静に物置部屋のセピア色に染まっていった。 餌置き場に置かれた食べかけのヒヨコは、セピアに犯されるように腐っていった。 餌を取り替える者は、もう誰も居なかったのだ。 30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 50 41.43 ID TxBN4K740 終わりです お疲れさまでした 35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 01 59 07.61 ID TxBN4K740 クンクン探偵湯煙殺人事件 解決編 36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 00 07.96 ID TxBN4K740 僕と猫警部は偶然立ち寄った温泉旅館で殺人事件と遭遇してしまった! 熊おじさんが胸を鋭利な物で刺された後、顔が分らなくなるまで潰されてしまったのだ! 凶器も害者確認できない! これじゃ国家の犬はお手上げなんだくんくーん! (でも大丈夫! オーナーのキツネさんがズボンを下ろして熊おじさんと確認したからね!) 僕と警部は熊おじさん(彼がスポンサーだったんだ)が居なくなり、厨房の皿洗いという トホホッな路銀稼ぎをしていると! なんと! オーナーのキツネさんから 『この事件を解決したら、見逃してあげましょう』こう言われちゃったら、 僕の右脳がフル回転しちゃうぞ! アライグマ君が持つ冷凍ボックスの謎とは!? 謎が謎を呼ぶ湯煙殺人事件、解決編! チャンネルはそのままなんだくんくーん! 38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 05 27.06 ID TxBN4K740 「ふふふ、謎は全て解けましたよ」 クンクン探偵がエプロンを脱ぎ捨てながら言った。 「本当かねクンクン探偵!?」 猫警部はエプロンのまま言った。 「ええ、簡単なトリック。トリックの初歩の初歩……」 とキセルを口に咥えながら言う。 「早く、その犯人を教えて頂けるかしら、クンクン探偵」 オーナーのキツネさんは、クンクン探偵に寄り添うようにして言った。 「犯人はアライグマ君、あなただ!」 アライグマ君は後生大事に抱えていた冷凍ボックスを床に下ろし、 「ええ、その通りです」と言った。 辺りがざわめく。 40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 09 10.01 ID TxBN4K740 「しかし、どうして彼が犯人だと分ったんだ!? 凶器の謎だってまだ分らないんだ!」 猫警部がバンザイして言う。お手上げという意味なのだろう。 「凶器がないのは逮捕に踏み切れない……確かに、道理……いいでしょう、ご説明します」 クンクン探偵は帽子の下から見える、触れたら切れそうな眼光を警察犬Aに向けた。 「すみませんが、アライグマ君の冷凍ボックスの中を見てもらえませんか? きっと秘密が隠されているはずです」 「了解だワン!」と警察犬Aは冷凍ボックスの中を検める。 みなの視線が冷凍ボックスの中に注がれる 「こ、これは!」 「そう、氷の凶器……ツララの剣(ツルギ)と名づけましょうか……。 アライグマ君はこの剣を使って熊おじさんの胸を刺し、殺した。違いますか?」 「流石はクンクン探偵。その通りですよ」 クンクン探偵は自分の顎を触りながら言う。 「そうですね……犯行動機は金銭トラブル、違いますか?」 「違います」とアライグマ君がキッパリと言った。 41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 14 49.74 ID TxBN4K740 「じゃあいったい何が目的で殺したんだ!」と猫警部がまくしたてた。 「熊おじさ……いや、あの下衆野郎は僕のフィアンセだったネズミさんに関係を迫った…… だがそれを断られて、頭に血が昇ったあの下衆野郎はネズミさんを酷く暴力的に犯した。 そしてネズミさんは、その一連の出来事を僕に手紙で綴り……自殺してしまったんだ……」 辺りは水を打ったように静まり返っていた。その中でアライグマ君の語りは続く。 「彼女は僕の全てだった。一時期は彼女の後を追って自殺する事しか考えられませんでした。 でも、死ぬ前に一つだけ確かめたかったんです、あの下衆野郎に 『なんでこんな事をしたんだ』ってね 僕はアイツの事務所でそう聞きました。 そしたらあいつ、何て言ったと思います? 『あの顔面陥没ネズミ、お前の名前を叫びながら腰振ってたぜ』 ですよ? 人間じゃありませんよ。僕はその時誓ったんです、こいつを殺さないと 僕は死んでも死にきれない……と」 アライグマ君は、テーブルの上に置いてあった水差しから空のコップに並々と水を注ぐと、 一気に飲み干した。 「僕はその後、あいつが経営するこの温泉旅館の皿洗い番長の座に転がり込みました。 僕はアライグマです、皿洗いの仕事はすぐに見つかります。それからはアイツの 行動パターンを掴む為に毎日真面目に働きました。洗いすぎで手の皮が擦り剥け、 肉が剥がれた事もありましたよ。そして、今日やっと、奴を殺す事が出来たと言うわけです」 アライグマ君は何かをやり遂げたような、清清しい顔をしていた。 とても殺しを行った人物とは思えない顔をしている。 42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 19 10.03 ID TxBN4K740 「しかし、殺す事はなかったじゃないか……その為の、警察だ……」 猫警部が場の重い空気の層に、自分の言葉を流し込むように言った。 「いいんです、それが僕が選んだ道なんですから」 「連れて行け」 猫警部の声つぶれた声が、辺りに不自然なほど響いた。 隣に立っていた警察犬Aにアライグマ君は連れて行かれた。 「流石はクンクン探偵ね。あんな難事件もするする解決しちゃうだなんて」 オーナーキツネさんはクンクン探偵の腕を絡め取り、自分の胸に埋めるようにして言う。 「ははは、簡単さ。だって、君みたいな美人が隣に居たからね」とクンクン探偵が言った。 「まあ、お上手ね」とオーナーキツネさんが頬を赤らめた。 それと同時に悲鳴が聞こえてきた。アライグマ君が連れて行かれた方向からだ。 クンクン探偵一同は現場に駆けつける。 「そんな……」 44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 27 52.48 ID TxBN4K740 アライグマ君が自分の舌を噛み千切り、噛み千切った舌で呼吸困難に陥り死んでいたのだ。 「す、すみません。本官が目を放したほんの一瞬の隙をつかれまして…… ですから本官に落ち度はまったくありません!」 警察犬Aが猫警部に必死に弁解していた。 「そんな、そんな……なぜ自らの命を絶てるほどの覚悟を持った君が、 ネズミさんの死を背負って生きていく覚悟を持つ事が出来なかったんだ……。僕は、無力だ……」 クンクン探偵はアライグマ君の両目を、そっと閉じた。 彼の顔は、深く被られた探偵帽で隠されていたが、一瞬、頬を伝う水滴が見えた。 それはツララの剣の滴だったのか。それとも、彼の流した涙だったのか……。 答えは誰も分らない。クンクン探偵ですらも。 45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 34 04.70 ID TxBN4K740 「隣、いいかしら」とオーナーキツネさんはクンクン探偵に話しかけた。 「ええ、どうぞ」 ここは温泉旅館地下バー「如月本社」安っぽい緑のカクテルが売りの人気バーだったのだが。 バーテンが変ってからは安っぽさが消え、動物の森に安くないカクテルブームが浸透しようとしていた。 ついでに言うと、昔は故・熊おじさんがバーテンをしていた。 「ここで会うのは二回目ね」とオーナーキツネさんが言った。 「そうですね。でも、僕がここに足を運んだのも今日で二回目だ」 口端をニヤリと吊り上げ、クンクン探偵が言った。 「ふふ、そういわれたらそうね。そうだ、今日は私がカクテルを選んであげる」 「そうね……」とオーナーキツネさんが、愛しの探偵さんに何が似合うかと思案していると、横から 「ギムレット」とクンクンが言った。 「あら、私が注文したお酒は飲めない?」と少し不機嫌そうにオーナーキツネさんが言う。 「いや……今日は、自分の道は自分で決めたかったのさ」 「変なクンクン探偵」 「ふふ、そう?」 クンクン探偵の前に、沈痛な面持ちのバーテンダーがカクテルを差し出す。 胡桃大の氷がグラスが当り、チロチロと涼しげな音を奏でた。 46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 37 28.00 ID TxBN4K740 エンドロールが流れ終わりアイキャッチ、そして皇潤のCM。 テレビの画面がパチパチと音を立て消えた。 水銀燈暗くなった画面をじっと見つめていた。 彼女の後ろで横になり、同じく画面を見ていた男は 「初めて見たけど、凄いな」と言うが、水銀燈はそれに否定も肯定もせず、 ただじっと画面を見つめていた。 彼女は既に画面なんかじゃなく、もっと別の問題に焦点を当てていたのかもしれない。 そんな彼女の口が自分に向けて開かれるのを待つように、 男は水銀燈の後ろから動こうとしなかった。 47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 38 10.72 ID TxBN4K740 終わりです お疲れさまでした 48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2008/01/11(金) 02 40 54.12 ID /yI9v/feO うらやましいです 49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2008/01/11(金) 02 42 41.41 ID lZsuc8goO まーくんかわいいよまーくん 50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2008/01/11(金) 02 42 51.55 ID uX9gp0dkO おつ! 51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 44 38.42 ID TxBN4K740 みんなねないんですか 53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 50 55.29 ID TxBN4K740 水銀燈とアリスゲーム 54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 51 44.85 ID TxBN4K740 暖かい日だった。 サンタのプレゼントが温もりだったと証明された日でもある。 そんな中、黒縁めがねの向こう側から真摯な視線を手元に送る少年が居た。 桜田ジュンである。彼は己の居場所を奪った裁縫と向き合い、 派遣労働者以上の収入を弱冠14歳で手にしていた。 彼は今、新作「小悪魔旋風脚」と言うタイトルのドレス製作に勤しんでいた。 その時、ドレスの名前に連れて来られたのか。一陣の小悪魔な風さんが 石油ファンヒーターから噴出し、彼の手元を襲った。 金の針が彼の手元から転げ落ち、太ももに刺さる。 運命の神の悪戯か、はたまたただの偶然か。針が落ちた先は経絡秘孔の一つ 「前世野事思胃出酢」であったのだ。 55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 53 30.01 ID TxBN4K740 ジュンは自分が自分の体から引き抜かれるような錯覚に陥り、数え切れぬほどの夢を見た。 身分違いの恋にその身を焼いた事、その少女を模して人形を何体も何体も作った事、 次第に愛しかった少女の記憶が薄れ、自分が恋焦がれた少女を再現する為、 様々なタイプの人形を作った事。 そして、何をしても自分を愛してくれる少女達を創った事に対して、虚しさを感じた事……。 その他にも色、図形、模様、数式、文字、言葉、ありとあらゆる事が目の前を通り過ぎた。 いつしか、彼はとても広く浅い海に立っていた。遠くから自分の名を呼ぶ声が聞こえてくる。 呼ばれるがまま、声の方へと歩いていく 「ジュン、起きなさい。ジュン!」 56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 02 56 37.61 ID TxBN4K740 最初に目に入ったのは靴だった。小さな靴だ。 「ちょっと、冗談は程々になさい」 小さな手が彼の肩を揺さぶり、青い目が見えた。 「真紅」と彼は呟いた。 「よかった……。あなたね、主人に心配をッ──」 真紅と呼ばれた人形は肺の空気が口から噴出す音を聞いた。 「すまなかった、本当に済まなかった。謝って済む事じゃないけれど、謝る事しか出来ないんだ」 ジュンの腕の中でもがきながら、真紅は掠れたようなハリボテな言葉をやっとの思いで紡いだ。 「た、確かに、主人を敬わない下僕だけれど、こ、このような情熱的な謝り方をしなくてもいいのだわ」 自前の赤いドレスのように耳まで真っ赤に染め上げ真紅が言う。 「違うんだ真紅。もう、戦わなくていいんだ、もう僕は戦いなんて望んでいない」 「あなたの気持ちは嬉しいけれど、これはお父様が望んだ──」 ジュンの腕に力が篭る。 「まさか、お父様……?」 真紅を抱きしめる腕は、あの日彼女を抱き上げた腕の温もりのそれだった。 「今まで苦労をかけたね、真紅。これからはずっと一緒だ」 そう言うと、真紅は泣いた。長い間欲していた父の温もりに包まれながら、大きな声で沢山泣いた。 こうして、数奇な運命の悪戯によりアリスゲームは幕を下ろした。 もう、彼女達は戦わなくていいのだ、戦う理由などなくなったのだから。 58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 03 01 45.22 ID TxBN4K740 アリスゲームの終わりは瞬く間にドール達の知る事となった。 あの日から真紅はジュンの事を名前で呼ばなくなり「あの」だとか「よろしいですか?」など 間接的にジュンに語りかけるようになった。行き成り「お父様」と 呼ぶのも気恥ずかしいし(外見はジュンのままだ) かと言って今まで通り「ジュン」と言うのも無礼な気がするのだろう。 これは時間が解決してくれる問題である。彼女自身が乗り越えなければならない壁なのだ。 しかしジュンから離れない所を見ると、彼の中にローゼンを感じ取っているようである。 59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 03 05 20.30 ID TxBN4K740 「みっちゃん……カナ、アリスには成れなかったかしら……」 ローゼンメイデン第二ドール金糸雀は己のマスター、草笛ミツにアリスゲームが終わった事を告げた。 ミツと呼ばれた女性は暫く物を考えた後、金糸雀に 「カナは何でアリスに成りたかったの?」と聞いた。 「それはアリスになって、お父様と会う為かしら」と金糸雀は言う。 「じゃあ、それでいいじゃない!」 「えっ? でもでも、ローゼンメイデンはアリスに成る為に作られた訳であって……」 両手をパタパタと振りながら、必死にアリスの重要性について説明しようとする。 「カナはアリスに成る為に皆を傷つけたいの?」と声のトーンを落としミツが言った。 金糸雀は首を振る。 「そして、カナはお父様に会う為にアリスに成りたかった。違う?」 小さな顎がコクコクと二回引かれた。 61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 03 09 27.33 ID TxBN4K740 「だっーたら万々歳じゃない! 楽してズルしてお父様に会えたのよ? ほら、一緒にばんざーい! ばんざーい!」とミツが金糸雀の手を掴み一緒に万歳させる。 「それじゃあお祝いに、あっまぁい特性玉子焼き作ってあげるからね!」 ミツのお祝いムードに飲まれてきたのか、自然と金糸雀も盛り上がってくる。 「そう言われればそうかしら! 楽してズルしてお父様を頂きかしら!」 「そうよ、その意気よカナ! ……断腸の思いだけれど、桜田君のお家ならお泊りも許可しちゃうからね!」 悔しそうに自分の親指の爪を噛みながら、ミツが言う。 「いいのよみっちゃん」 「かな……?」 「お父様はもう、自分のアリスを見つけたんだから」と金糸雀が言った。その表情はどこか寂しげである。 「そうね、そうよね! カナは私だけのアリスなんだから! ずっと一緒にいっぱい写真を撮ろうね!」 とミツは金糸雀に抱きつき、自分の頬を金糸雀の頬に高速で擦り付け始めた。 台所から、少し焦げ臭い臭いが漂ってきて、やっと金糸雀は解放されたのだ。 頬の摩擦熱と、アリスゲームから。 60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2008/01/11(金) 03 06 31.64 ID lZsuc8goO だれかまとめサイトください 62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 03 12 23.26 ID TxBN4K740 http //www37.atwiki.jp/suiginto/pages/1.html 自分で出すのは恥ずかしいのですが まとめてくれてるナイスガイ、いつもありがとうございます 64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 03 14 36.07 ID TxBN4K740 オーブンから香ばしい匂いが漂ってきた。 「おっ、焼けたですね」と翠星石がオーブンから鉄板を取り出す。 「んー完璧です。これならジュンもちったぁ翠星石の事を見直すはずです」 即興で鼻歌を作りながら籠にスコーンを放りこんでいく。 長いスカートを意に返さず、お盆を抱え二階への階段をのぼり、 ジュンの部屋に入る前にお盆の上を指差し確認。お茶よし、お菓子よし。 「ジュン! 翠星石がスコーンを焼いてやったです。一緒に食うですよ」 ジュンは机の前に座り、裁縫作業をしていた。 「あら、真紅はいねーですか?」と翠星石が辺りを見渡しながら言う。 「ああ、少し出かけて来るってさ」とジュンが手元を整理しながら答えた。 「そ、そうですか。ま、翠星石にはなーんも関係ねーことですけどね?」 ほほほ、と笑いながら二人のカップに紅茶を注ぐ。 65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 03 18 19.67 ID TxBN4K740 ジュンと翠星石は小さなテーブルに向かい合って座っていた。 「久しぶりだな、こうして二人きりになるのって」とジュンが言った。 「そうです、ね」と翠星石が目を泳がせながら言った。 「あれから皆余所余所しくなったよな。お前だけだよ、 僕の事を『ジュン!』『ジュン!』って呼ぶのは」 「嫌……ですか? そういうの」 翠星石がティーカップを弄りながら上目遣いに言う。 「嫌じゃないよ。逆に嬉しいかな、あれから皆僕を『お父様』 と言う色眼鏡越しに見ている気がしてさ。なんとなく寂しかったんだ」 「そう、ですか……でも、翠星石の中でジュンはジュンです。 お父様かもしれんですけれど、ジュンはジュンなのです、それ以下でもそれ以上でもねーです」 翠星石は口を尖らせ、ティーカップに視線を落としながら言った。 視線を上げるとジュンと目が合う。二人の間に甘酸っぱい空気が流れていた。 彼女のアリスゲームはまだまだ続きそうである。 66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 03 21 15.39 ID TxBN4K740 寒風が一つ強く拭き、帽子が飛ばないように押さえた。 蒼星石である。 彼女は貯水タンクの上から、冬の暮れに飲まれようとしている影を失った町を見下ろしていた。 誰が想像出来ただろうか。 こんな小さな島国の小さな町で、アリスゲームが終わるなどと。 それも、まったく問題視していなかった第五ドール真紅のマスターによって……。 寒さが深々と身に染みるが、丹田に溜めた息と一緒に寒さを吐き出す。 「蒼星石、こんな所で何してるですか?」 蒼星石が見上げた先には、鞄の隙間から顔を覗かせる翠星石が居た。 「いい眺め。翠星石も一緒にどうだい?」 翠星石はピューピューと吹き荒む風に少しだけ躊躇い、蒼星石の横に並んだ。 「うー寒いです」と翠星石が言った。 「そうだね」と蒼星石が言った。 翠星石は何度か口を開き、閉じを繰り返し言う。 「蒼星石は何を怒ってるですか? 遠慮せずに姉に相談するですよ」 「別に、怒っていないよ。ただ、全てが終わっただけさ」 蒼星石の視線の先には空と大地の境界があった。 67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 03 23 15.45 ID TxBN4K740 翠星石が考え込むように腕を組んで、唸り言う。 「蒼星石がそう言うなら、そうなんでしょうけど……困った事があったら、すぐ言うですよ?」 「ありがとう」と蒼星石が言った。 突風。翠星石が小さな悲鳴。飛ばされる蒼星石の帽子。 咄嗟に蒼星石が手を伸ばすが届かない、小さな手が空を掴む。 「あーあ、難しい事ばっか考えてるからですよ。今翠星石が取ってきてやるから、そこで待ってろです」 こう言うと翠星石はスカートの裾を掴み、トンと一蹴り給水等から飛び降りた。 「あっ、ちょっと翠星石──」 蒼星石の小さな手が掴んだ空を放すが、翠星石の背中は既にない。 彼女の手は胸元で強く握り締められた。 「翠星石、僕はアリスを目指すよ」 「いんやー帽子の奴が生きてて大変だったですよ」 翠星石が帽子を抱え、給水等の上に戻るが帽子の持ち主の姿は既になかった。 小さな溜息を翠星石がついた。 蒼星石はアリスに成る為にアリスゲームを求め旅立った。 68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 03 29 17.04 ID TxBN4K740 苺大福の包み紙で作られた鶴が二羽、仲良く机の上で並んでいた。 畳の上にはクレヨンで絵を描かれた画用紙が、何枚も無造作に置かれてあり、 クレヨンケースにある白クレヨンの磨り減り方が他の物に比べ早かった。 部屋の隅にはクラシック鞄が一つ、置いてあった。 ガタガタとスリガラスと木の枠組みがぶつかり合い、玄関のドアが開く音がする。 クラシック鞄が勢い良く開き、中から小さな人形が飛び出した。 小さな人形は部屋の襖を重そうに開き、廊下を革靴を鳴らしながら走り玄関へと急ぐ。 「おかえり、巴!」と言うと、今しがた帰ってきたばかりの女子中学生に飛びついた。 女子中学生は人形を抱きとめ「ただいま雛苺。いい子にしていた?」と聞いた。 「うん、ヒナとってもいい子にしてたの!」 雛苺と呼ばれた人形は、これでもかと言わんばかりの微笑みを顔に詰め込み言った。 「そう、偉いわね。これはお土産」と巴と呼ばれた少女は小さな包みを手渡す。 「うにゅーだあ!」雛苺がそれを両手で受け取り、 「ありがとう巴!」と言った。 「いえいえどういたしまして」と巴が言った。 巴は雛苺を抱いたまま自分の部屋へと戻った。 二人を繋ぎとめる絆だったアリスゲームも、 二人を別つ壁だったアリスゲームも、既になかった。 69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2008/01/11(金) 03 37 19.93 ID TxBN4K740 何処までも暗く、何処までも深かった。 そんな世界の片隅に彼女は居た。 アリスになる為だけに作られた彼女は、静に消え去ろうとしていた。 彼女のアリスゲームは始まりを迎える事なく、終わったのだ。 70 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2008/01/11(金) 03 41 31.52 ID TxBN4K740 雨が降っていた。 鉛色の雲が空を覆い、町は昼間だというのに薄暗い。 軒下から、空を見る瞳で冬の雲を見つめる少女が居た。 その目鼻立ちは整い、印象的な赤い眼をしている。 銀の髪は雨に濡れて白い頬に張り付き、ドレスは夜闇のようになっていた。 そして、空を一睨みしてから、雨の中へと飛び出した。 彼女は古いアパートの一室の窓を手馴れた様子で開け、窓辺へと舞い降りた。 下水を流す音がした。若い男がトイレから出てくる。 「水銀燈?」と男が言うと、水銀燈は瞳を彷徨わせ男へと焦点を合わせた。 彼女が吸った雨水が床に染みを作る。 男は引き出しからタオルを取り出し水銀燈の頭に被せ、 「傘が嫌ならカッパ使えよ……」とガシガシと頭を拭いた。 ヘットドレスの存在を思い出し、タオルから彼女の頭を出す、 「痛い」と水銀燈は言った。 「俺の優しさが篭ってるんだよ」と男はヘットドレスのリボンを解き、 ちゃぶ台へと放り投げると水が潰れる音がした。 71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2008/01/11(金) 03 46 34.95 ID TxBN4K740 水銀燈は頭は再びガシガシと拭かれ、体がそれに合わせて右へ左へと動いた。 次に、髪の毛の腹を拭くために水銀燈の両肩に手をかけ後ろを向かせる。 そして、髪を手に取りタオルに擦り合わせるように拭く。 「痛い」と水銀燈は言った。 「おいおい、ここは痛くないだろ」 手を止めずに拭いていると、水銀燈が肩を震わせている事に気がついた。 不思議に思い、横から水銀燈の顔を覗き込む。 男は水銀燈の両肩に手をかけ、ゆっくりとその身を近づけるが 自分の胸が彼女の頭に触れる直前に動きを止めた。 その顔には迷いと躊躇いが渦を巻いていた。 男はゆっくりと体を引いて、顎を引いた。 口は一文字に結ばれ頬がピクピクと動いている。 男の両手は、濡れた衣服が包む彼女の温もりに縫い付けられていた。 閉じ忘れた窓からは雨が振り込む、雨が降り止む気配はない。 72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2008/01/11(金) 03 53 20.98 ID TxBN4K740 壁に包まれたシャワーの音が遠くに聞こえていた。 雨はあれからいよいよ本降りへと差し掛る。 あれから僕は水銀燈を浴室に連れて行き、彼女の濡れたドレスを水を張った洗面器につけた。 彼女が下着を脱ぐのを待っていたら、やけに平面的な瞳で見つめられれ、 陶磁器のような肌に張り付いた濡れた下着に一抹の未練を残しながら、 僕はそそくさと脱衣所を後にした。 チビチビとお茶を啜り、つい先ほどの出来事を思い出していた。 濡れ鼠になって帰ってきた水銀燈。目には昨日までの輝きはなく、まるで本当の人形のようだった。 何故あの時、僕は水銀燈を抱きしめられなかったのか。 逃げていたのか。あの時、水銀燈を抱きしめる事によって彼女を受け入れる事に。 僕は彼女を拒絶しているのか? 違う、拒絶はしていない。彼女は僕の全てとさえ思った事もある。 ならば何が? そうだ、あの時僕は彼女の瞳を、表情を覗きこんでしまったのだ。 その奥には、僕には到底計り知れない物が渦巻いていた。 そうだ、僕は躊躇ってしまったのだ。彼女を抱きしめ、彼女がその身を委ねる事に。 僕はあの時の彼女を受けきれる自信がなかった。 怖かったのだ、受け入れられなかったらと考えると。 随分と身勝手な理由だ。彼女が本当に誰かを(僕を?)必要としているかもしれない時に何も出来ない。 今までが 何か出来た気’になっていただけかもしれないが……。 僕は、どうしたらいいのだろうか。 シャワーの音が止まった。ほどなくして風呂場の扉が開く音がした。 次へ
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298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 47 40.33 ID n8jIYyc80 水銀燈「ねえ、真紅ぅ」 真紅「・・・今、くんくん探偵なのだわ」 水銀燈「・・・」 真紅「違うのだわ!それじゃ雌狐の思う壺なのだわ!」 水銀燈「あっ、くんくん・・・」 TV「それじゃあ、来週も。よろしーくんくん!」 真紅「で、なんなのだわ?」 水銀燈「うーん、真紅はアリスゲーについて、どう思ってるのかなぁと思ってぇ」 真紅「アゲーはお父様に会うための唯一つの手段なのだわ」 水銀燈「それは、分るのだけれどぉ。なんだか、ずっと同じ事の繰り返しで心配になったのよぉ」 真紅「それは私達が人形だから、その為の鞄なのだわ」 水銀燈「ええ、それは。分るのだけれどぉ・・・なんというか」 真紅「水銀燈、さてはあなた鞄で寝ずに、男と同衾してるわね!?」 水銀燈「は、はぁ!?そんな事あるわけないじゃない!」 真紅「・・・」 水銀燈「な、なによぉ・・・」 真紅「・・・」 水銀燈「・・・違うのにぃ」 300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 53 46.27 ID n8jIYyc80 真紅「水銀燈、起きるのだわ水銀燈!」 水銀燈「・・・」 真紅「気づいたのだわ!アリスになるにはアゲー以外の道もあるのだわ!」 水銀燈「・・・」 真紅「本来、お父様も戦いなんて望んではいないのだわ!・・・水銀燈?」 蒼星石「まさか、君までそんな甘っちょろい事を考えだすなんてね」 真紅「そ、蒼星石!?」 ───────────off──────────── 」 」 」 」 」 」 START 301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 57 40.45 ID n8jIYyc80 真紅「これで終わりね」 水銀燈「ジャンクにしてあげる」 翠星石「くらいやがれです」 蒼星石「お父様が望んでいる事だ」 雛苺「巴と離れたくないの」 金糸雀「それがローゼンメイデンなのかしら」 薔薇水晶「お父様の為に」 雪華結晶「廻る、廻る。糸車が、廻り出す」 ───────────off──────────── 304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 03 06 25.32 ID n8jIYyc80 これじゃ出来るわけなかったんだ。 ミスがあったんだよ、致命的な 居なかったんだよ、私が。この世界に。 次はもっと違うパターンで行こう、もちろん私も入れて。 そうだ、次は間違えない やろう やろう 305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 03 07 17.36 ID n8jIYyc80 306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 03 07 33.10 ID n8jIYyc80 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」 START... 309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 03 19 38.55 ID n8jIYyc80 水銀燈「ねえ、真紅ぅお茶しなぁい」 真紅「あら、珍しいわね。どういった風の吹き回しかしら」 水銀燈「なによぉ、私とお茶はしたくないっての?」 真紅「そんな事ないのだわ。JAM、紅茶を淹れて頂戴」 水銀燈「いいわよ、私が淹れたげるわよ」 真紅「それなら、お手並み拝見といこうかしら」 蒼星石「珍しいね、僕も仲間に入れてよ」 翠星石「翠星石はスコーンを持ってきてやったです」 雛苺「二人ともいらっしゃいなのー」 金糸雀「あら、なんだか楽しそうな時に来たらかしら」 薔薇水晶「・・・」 雪華結晶「お姉さまのお茶、楽しみ」 水銀燈「結局、皆そろっちゃたのね」 真紅「茶会は多い方が楽しいのだわ」 水銀燈「それも、そうだけど」 翠星石「なーにぐずぐずしてるですか、早く茶ーいれやがれです!スコーンが冷めるですよ」 水銀燈「はいはい、ちょと待ってなさぁい、とっておきの淹れたげるんだからぁ」 311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 03 21 58.69 ID n8jIYyc80 お わ り 314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 03 26 22.61 ID n8jIYyc80 235辺りから蛇足だにゅん☆ 320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 03 56 38.96 ID n8jIYyc80 たまらんだろ? たまらん! _, ,_ ,_ (; ゚д゚ ) (` ) ( ⊃┳O ⊂( ヽ ( ⌒) )┃_ ┃(⌒ ) ) _ / ̄ ̄ ̄`J ̄ ̄ /\ / ̄ ̄し' ̄ ̄ ̄/\( ((  ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○  ̄  ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○ ̄ ) )) たまらんだろ? たまらん! _, ,_ コツン ,_ (; `д´)\/(` ) ( ⊃┳O ⊂( ヽ ( ⌒) )┃_ ┃(⌒ ) ) _ (( / ̄ ̄ ̄`J ̄ ̄ / ̄ ̄し' ̄ ̄ ̄/\ ))  ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○◎ ̄○ ̄◎ ̄○ ̄ /☆\たまらーーん! _, ,_ _, ,_ _, ,_ _, ,_ たまらん――! ((Д´≡`Д)) ((д`≡´д)) (( ⊃┳O⊂( ヽ)) (( ⌒) ))┃_ ┃((⌒ ) )) _ ((/ ̄ ̄ ̄`J)) ̄ / ̄ ̄((し' ̄ ̄ ̄/\))  ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○◎ ̄○ ̄◎ ̄○ ̄ 321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/10/02(火) 04 00 04.97 ID mJgv9B6/0 もう4時だ 322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 04 01 51.31 ID n8jIYyc80 4じだね 323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/10/02(火) 04 03 03.49 ID mJgv9B6/0 明日、文化祭なんだ―ほぼ男子校だけど 324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 04 03 35.53 ID n8jIYyc80 文化満喫してこいよ・・・ 346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 09 11 34.22 ID nErDGXpT0 まだ続くの? 347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 09 13 06.87 ID n8jIYyc80 俺もビックリした 359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 11 50 16.62 ID n8jIYyc80 水銀燈「みかんあるけど、食べる?」 真紅「ナイスなのだわ!さっそく食べるのだわ」 めりめり グチュ 水銀燈「力みすぎなのよぉ。もっと力を抜かないと」 真紅「半クラの力加減も出来ない私には無理なのだわ!水銀燈、私の分も剥くのだわ!」 水銀燈「まあ、いいけどぉ・・」 真紅「もっとだわ!もっと食べるのだわ!」 ゴミ箱→ミカンの皮 真紅「美味しかったのだわ、また来るのだわ」 水銀燈「・・・爪、黄色くなっちゃった」 360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 11 53 47.14 ID n8jIYyc80 真紅「水銀燈、紅葉なのだわ」 水銀燈「なあに?紅葉狩りにでもいくの?」 真紅「あっ、くんくん」 水銀燈「えっ、ど、どこよぉ」 バチーン☆ 水銀燈「いたぁ・・・」 真紅「紅葉なのだわ!紅葉なのだわ!」 水銀燈「・・・」 362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 12 00 58.38 ID n8jIYyc80 真紅「水銀燈、スーパーに買い物に行くのだわ」 水銀燈「まだ足りなくなった物はないわぁ・・・お金もないし」 真紅「何言ってるの。100円ゼリーを買いに行くのだわ。もちろん奢るのだわ! 水銀燈「ほんとぉ?なら一緒にいきましょう」 自動ドア「ウィーン」 真紅「大量なのだわ!今日はお肉の特売なのだわ!キロ単位でよこすのだわ!」 水銀燈「あ、あの・・・ゼリー」 真紅「どけなのだわ!加齢臭い漂う人間にはこの肉はもったいないのだわ!」 水銀燈「ゼリー・・・」 真紅「大量なのだわ!今月の食費全て注ぎ込んだかいあったのだわ!」 水銀燈「あの、真紅ぅ・・何か、忘れてないかしらぁ・・・」 真紅「しまったのだわ!鶏肉買い忘れたのだわ!」 水銀燈「いや、そうじゃなくてぇ・・・」 真紅「水銀燈、あなた何を言っているの?」 水銀燈「・・・」 364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 12 03 43.43 ID n8jIYyc80 真紅「つまらないから何か一芸披露なさい」 水銀燈「ちょ、チョコボール向井!」 真紅「つまらないのだわ」 水銀燈「・・・うん」 真紅「つまらないのだわ」 水銀燈「・・・」 365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/02(火) 12 04 17.65 ID mJvKQlWw0 相変わらずツマンネ 366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 12 04 54.19 ID n8jIYyc80 うん・・・ 367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 12 06 41.06 ID mJvKQlWw0 嘘です全部読みました ツンデレ気取りたかっただけです・゚・(ノД`)・゚・ 368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 12 07 29.48 ID n8jIYyc80 おれはてっきり 相変わらずツマンネ ↓ うん・・・ ↓ 相変わらずツマンネ ↓ になるのかと 371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 12 10 22.58 ID n8jIYyc80 ノ L____ ⌒ \ / \ / (○) (○)\ 昼起きたら残ってたんだよ! / (__人__) \ | | | | \ l;;;;;;l /l!| ! / `ー \ |i / ヽ !l ヽi ( 丶- 、 しE |そ ドンッ!! `ー、_ノ ∑ l、E ノ レY^V^ヽl 378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/02(火) 13 14 09.28 ID n8jIYyc80 もうこのスレのライフは0よ! 403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/02(火) 16 22 45.14 ID n8jIYyc80 水銀燈「つかれた」 405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 16 24 22.08 ID n8jIYyc80 水銀燈「もうねかせて」 409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/02(火) 16 40 10.94 ID n8jIYyc80 もう、かんべんして 471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/02(火) 20 11 40.53 ID n8jIYyc80 448と 465はまた別の人なのか 477(火) 20 53 01.99 ID bmZg1oi00 まーくんまだここ見てる? 478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 20 56 19.83 ID n8jIYyc80 うん 479(火) 20 58 32.99 ID bmZg1oi00 コメントが頻繁に消されてるのは仕様? まさか荒らしとかはありえないと思うけど、もし身に覚えが無いなら編集者権限変えちゃおうと思うんです 480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 20 59 05.33 ID n8jIYyc80 ごめんたまに自分のコメントだけ消してる 485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/02(火) 21 27 45.83 ID n8jIYyc80 ごせつめい せ、説明だと・・? 486 (火) 21 29 03.58 ID bmZg1oi00 こういうものを前から書こうかと思っていたんだけれどもけれどもなかなかどうして 487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/02(火) 21 29 19.70 ID n8jIYyc80 はあはあたのしみにしてるよはあはあ 499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/02(火) 22 37 03.61 ID n8jIYyc80 これは500狙うしかない 500 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 22 37 56.48 ID lmRbvjuP0 わかった500は譲るよ 501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 22 38 03.30 ID n8jIYyc80 ここはイケメン過ぎて第三次世界大戦勃発の危機の俺様が華麗に500ゲットだろ・・・ 503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/02(火) 22 38 54.34 ID n8jIYyc80 あれえ・・・? 512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 23 25 16.92 ID 0nMZgjxR0 ゴキブリ並の生命力だな。良い意味で 513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/02(火) 23 27 10.34 ID n8jIYyc80 それはつまり、俺は太陽の子ブラックサンだと言いたいわけだな? 525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 23 59 24.34 ID n8jIYyc80 うひょおおおおおおおお日付変更の前にスレレイプだよおおおおおおおおおおお 526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 23 59 50.35 ID n8jIYyc80 スレタンの中あったかいなりぃいいいいいふはうぅうあうあうあうああ ぐちょぐちょぐちょぐりょ 535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 00 22 14.80 ID hPrmcpGv0 ううんんんんんんn 536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 00 24 07.94 ID 295b3723O テス 537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 00 25 17.91 ID hPrmcpGv0 凄いな!腹筋スレいってこいよ!!! 544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 00 56 03.00 ID hPrmcpGv0 そろそろ1時だな 558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 01 29 56.99 ID hPrmcpGv0 テレビのブラウン菅が居間を照らしていた。 日は傾き、どこからともなく豆腐屋のラッパが聞こえてくる。 「スキヤキ。だって」 水銀燈がちゃぶ台に肩肘を突き、手の甲に顎を載せながらそう言った。 「スキヤキらしいね」 僕は本から顔を上げ、形の良い顔にブラウン管の青白い光りで陰影をつけている水銀燈を見た。 「牛肉ってどんな味がするの?」 「乳臭い、感じかな」 「ふうん」と興味無さそうに鼻で答る。 彼女の視線の先ではオススメ鍋情報が映し出されていた。 レポーターの卵をかき混ぜる音がリズミカルに聞こえてくる。 美味い飯レポーターに食わせるなよ・・・・・・そもそも、鍋ってスキヤキじゃないだろ、白菜だろ。 「ねえ」 思考の間に割り込むように水銀燈が声を出した。 「スキヤキ食べたいんだけど」 「今日は焼き魚」と言った僕の声に被せるように「スキヤキが、食べたいんだけど」ともう一度水銀燈が言った。 どうやら、僕には選択肢がないらしい。 562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/03(水) 01 35 23.09 ID H1zfyjKD0 そういえばさ、まーくんは 「吉良吉影の家にローゼンメイデンがやってきたようです」のスレを読んだりしたのかな?ww 563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 01 38 28.69 ID hPrmcpGv0 よんでない 564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 01 39 02.60 ID hPrmcpGv0 季節外れな冷房を効かしているスーパーから買い物袋を片手に外に出た。 秋虫が鳴いている。西の空ではまだ微かに赤が残っていた。 僕は足早に家路へを急ぐ、水銀燈が腹をすかして待っているのだ。 「ただいま」 玄関にたどり着く頃には、ズボンの内側はしっとりと汗で湿っていた。 「どこで寄り道食ってたのよ・・・・・・」と水銀燈は少しばかり不機嫌そうに言うが 羽がぴくぴくと揺れている。どうやら、それなりに楽しみにしているらしい。 「じゃあ、まあ。野菜切ってもらおうかな」 「はぁ?何で私がそんな事しなきゃなんないのよ」 眉を寄せ言う。 「一人ですると時間がかかるけど、それでいいならいいよ」 「いいわよ、やったげるからアンタも急ぎなさいよ」 「頑張るよ」と僕はちゃぶ台の上に野菜包丁とまな板を置いた。 「まあ、テレビで見た感じで」 僕が言うより早く、水銀燈は袋から野菜を取り出しざくざくと切り出す。 煮込むわけだし、問題ないかと隣に並び、僕も野菜に手を掛けた。 568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 01 46 53.42 ID hPrmcpGv0 「え、ええ?そんなに砂糖入れて大丈夫なの?」 「目分量だから大丈夫なんじゃないの?」 男の味付けは大雑把でいい、こうだ!と砂糖をどさりと落とす。 横から水銀燈の心配そうな声が聞こえてくるが気にしない、それが鍋だ。男の料理なのだ。 「ちょ、ちょと!テレビじゃそんなに醤油入れてないわよ!」 「家によって味が違うんだよ。これは我が家風」 外国の家庭には我が家のレシピと言うものが存在するらしい。 それに関係があるかどうかは知らないが、それを聞いて少し安心したようだ。 「あなたの、お母さんの味ぃ?」 何故か少し浮き足だった口調で水銀燈が聞く。 「だから、この家の味だって」 僕は鍋の上から床を指し言った。 「まあ、そろそろ出来るから、卵の用意でもしときなよ」 はあ。と僕に聞こえるように溜息をつき、卵をかき混ぜ始める。 ピーと炊飯器が悲鳴を上げた。白米が蟹の巣作って立ち上がり始めたようだ。 かき混ぜ蒸らす。 後は肉に火が通るまで待つだけだ。 569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 01 49 19.38 ID hPrmcpGv0 卵をかき混ぜ終わるとする事がなくなった。鍋はことことと味をめぐらせ、臭いを部屋に充満させる。 秋虫の鳴声と鍋の音だけが聞こえてくる、僕も水銀燈もどちらも口を聞かない。 僕は鍋がつくる湯気をぼんやりと眺めていた。 「ねえ、怒ってる?」 水銀燈が突然口を開く。 「何が?」と視線をさげ水銀燈を見た。 「焼き魚だったのに、スキヤキにしちゃった事」 「何で?」 「だから、ほら、お金とかかかるじゃない」 口を尖らせ水銀燈がそう言った。気持ち羽も萎れている。 「気にするなって、僕もスキヤキ好きだよ」 水銀燈は僕の方を半目の端で捕らえるように見つめ、 「じゃ、気にしないわぁ」と言った。 「そろそろ、食べれるんじゃないかな、鍋」 肉を確かめる、少し赤いが僕らの胃は軟じゃない。柔軟材使っても柔らかくならない。 「どのくらい食べれる?」白米を茶碗につぎなら言うと「普通でいいわ」と返ってきた。 「じゃあ、食べようか」 「いただいます」と二人の声が重なった。 570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 01 52 41.08 ID hPrmcpGv0 両側から箸が伸び、どちらも迷わず牛肉を掴んだ。 溶いた卵に肉を絡ませ口に運ぶ。 「あら、以外に美味しいじゃない」 茶碗片手に水銀燈が言う、猫舌のくせに格好だけは一人前だ。 「家の味なんだから心配しなくても良かったのに」 「それが心配だったのよ」と再び鍋に箸を戻す。 水銀燈には汚れるからドレスを脱ぐよう進めたのだが頑として聞かず、 結局、袖を捲し上げ、バンドのような物で止める事に落ち着いた。 一応エプロンはつけさせてある、洗濯するのは僕なのだから。 しばらく無言で互いに鍋を突きあった。 「あっ、馬鹿!」 「ば、ばかですってぇ?」 糸コンニャクを口に運ぼうとしていた水銀燈が顔を上げる。 「ほら、髪の毛に卵」と僕は水銀燈の卵あえの、銀の髪の毛を持ち上げテイッシュで拭いた。 「わっ、なによこれぇ・・・・・・」 「卵だろ」 「違うわよ!そうじゃなくてぇ・・・・・・あんた、からかってるでしょ」 勘は鋭いくせに、髪の毛を卵にだいぶさせるようなヘマをするのが不思議でならない。 572 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 01 55 32.59 ID hPrmcpGv0 僕の言葉を待っているのかジト目で見つめてくる。 「髪の毛結わえようぜ、ゴムバンドあるよ」 「ちょと、どうなのよ」 水銀燈の声を背中に浴び、引き出しからゴムバンドを取り出す。 「しようか?」との僕の問いに「いいわよ」と素っ気無く水銀燈は返し 茶碗と箸を置いた。僕は水銀燈にゴムバンドを手渡す。 水銀燈はそれを口に咥え、両手でボリュームのある髪の毛を首筋から かき集めるように持ち上げ、片手に握りなおす。口のゴムバンドを空いた手で取り 手早くバンドの口径を押し広げ、髪の毛を止めた。 うなじ部分からは自己主張の強いうなじがピョンピョンと飛び跳ねており 白い皮膚が首筋、肩へと伸びる。 髪型をかえたおかげで、今まで長い銀の髪で隠されるのをいい事に、大胆に開かれていた背中を露にしている。 574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 01 58 33.25 ID hPrmcpGv0 「なに見てんのよ」 水銀燈は用件が済んでも横から動こうとしない僕の視線を不信に思ったらしい。 「あ、いや。別になんでもないよ」 慌てて弁解する。人形の肌にドギマギしてたと知れたら何と言われるか分ったものではない。 「あら、もしかしてポニーテールが好きなの?」 嫌いじゃないが、好きなのはうなじと印象が変る事ぐらいだ。 「いや、いつもの方が好きだよ」 「ふうん?」と僕を見やり「分ったわぁ」と鍋に箸を伸ばしながら言った。 「野菜も食べろよ」 「何よ、文句あんの?」 「あるから言ってるんだよ」 この日の晩飯は、全体を通してこんな風に平和な空気に包まれていた。 575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 02 00 04.75 ID hPrmcpGv0 鍋の底が見えてくる。コンロの火はずいぶん前に落としていた。 「じゃ、後片付けしようか」 「頑張ってねぇ」と水銀燈は横になった。 「おいおい、後片付けまでがスキヤキだぜ?」 羽根をピクピクと動かし、頑張れとサインを送ってくる。 「せめて食器ぐらい運んでくれよ・・・・・・」 自分の食器をまとめ、台所に持って行くと横から水銀燈の分の食器が置かれた。 髪の毛はすでに下ろしてある。 水銀燈の顔を見ると視線が噛合ったのだが、すぐに視線を逸らし所定の席へと戻って行く。 スキヤキ特有の残り香の中、食器を洗う音と秋虫の鳴声が狭い部屋を満たしていた。 576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 02 00 31.78 ID hPrmcpGv0 お わ り 583 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 02 12 29.04 ID hPrmcpGv0 吉良面白いなwwwwwwwwww JAMが死んだらすぐさま承太郎に乗り換える真紅のビッチっぷりも素敵だった 584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/03(水) 02 23 33.50 ID isGWqSAC0 あ?真紅がビッチ? 586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 02 26 30.03 ID hPrmcpGv0 だ、だって ちちち、誓いきききき、キスを簡単に許すなんて いけないことだともいます>< 585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2007/10/03(水) 02 24 06.22 ID H1zfyjKD0 583 それならよかったw 俺はリアルタイムで見てたんだが、超展開にハラハラしっぱなしだったぜwww ところで、おまいは銀様好きとしてなんかリアクションは無いのかwww 587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 02 27 04.88 ID hPrmcpGv0 死ぬときは死ぬんだよ 物語にあれこれ言ってもしょうがないわ 593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 02 58 58.61 ID 0Q8zgWe10 すき焼きやったらうどんにて〆は雑炊だろ… 594 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 03 00 19.30 ID hPrmcpGv0 朝飯はそれになるよ! 602 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 03 27 31.55 ID hPrmcpGv0 ∧_∧ _( ´Д`) / )∩ / ,イ 、 ノ/| | / / | (〈| | | | | ]| | | | ヽ ヽ| |ニ(!、) \ \∪ / ゝ ) / / { | / _/ | |_ ヽ、_ヽ {_ ___ゝwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/03(水) 03 27 54.39 ID hPrmcpGv0 ∧_∧ _( ´Д`) トンファー草刈り!! / )∩ / ,イ 、 ノ/| | / / | (〈| | | | | ]| | | | ヽ ヽ| |ニ(!、) \ \∪ / ゝ ) / / { | / _/ | | スパァァァ ヽ、_ヽ {_ ___ゝ, ', ´, ', ´, ', ´, ', ´, ', ´, ', ´, ', ´, ', ´, ', ´, ', ´, ', ´, ', ´, 632 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2007/10/03(水) 10 02 18.39 ID hPrmcpGv0 もう、落としてもいいんやで・・・? 644 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2007/10/03(水) 11 14 36.83 ID hPrmcpGv0 もう3日か 677 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 13 41 29.21 ID hPrmcpGv0 . … . :____: :/_ノ ー、\: :/( ●) (●)。\: :/ r(__人__) 、 \: ウッ・・・p... :| { l/⌒ヽ |: :\ / / /: ____ /-‐ ‐-\ / ( ⌒) (● )\ / ⌒(__人__)⌒ \ | l/⌒ヽ | おっと、失礼 \ / / / 689 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2007/10/03(水) 14 07 28.83 ID 295b3723O 1の短編小説『銀ちゃんと僕』がもっと読みたいぜ 691 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2007/10/03(水) 14 11 40.21 ID hPrmcpGv0 銀僕は、@wikiの方に沢山まとめてもらってるよ 暇なら読むといいかもね 692 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2007/10/03(水) 14 12 14.26 ID UESziGXS0 688 基地外なんて言うもんじゃないわ 693 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2007/10/03(水) 14 13 13.85 ID hPrmcpGv0 ぶうううぴいいいいいいいいいいいい ぼくもきちがいでぶうううぶぶううう ぷひひひひいひひひいひぷきゃああああああああああああ 700 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2007/10/03(水) 14 26 48.80 ID 295b3723O 691 サンクス、銀僕っていうのかww 701 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 14 27 50.16 ID hPrmcpGv0 いや、君が銀ちゃんと僕って言ったから、それを略したんだよ。 特に決まったタイトルがあるわけじゃない 710 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 15 43 41.31 ID hPrmcpGv0 季節外れの蝉が鳴いた。 澄んだ空に刷毛で砂のような雲が描かれていた。 早朝、夕方は秋虫の声が聞けるようになり、残暑も冬篭りの支度を始め出している。 僕は椅子に座り、背もたれに体を預け、伸びをしなながら高い空を見た。 「水銀燈、肩揉んでよ」 リクライニングの椅子に埋もれるように座り本を読んでいる水銀燈に言う。 水銀燈は本を下げ、赤いガラス細工の眼でページ上から僕の姿を捉えると 何も言わずに視線を文字に戻した。 「無視っすか、そうっすか」と僕は息を吐き捨てながら言う。 水銀燈は瞳を瞼に半分隠し「揉んであげるから、こっちきなさいよ」と言った。 僕は椅子を軋ませ立ち上がり、水銀燈の座っている椅子の肘掛隣に腰を下ろした。 「こっち。背」との水銀燈の言葉に、僕は言われるまま背を向けた。 左手が伸び、人より小さく、人のように暖かく柔らかい手がシャツの上から僕の右肩に触れる。 水銀燈は親指を使わず、手の平と指だけで肩を揉む。 「両手使ってくれよ」 「うっさいわね、今いい所なのよ」 肘掛に本を置き、ページを捲りながら言った。 揉む手を止めないのは彼女なりの優しさなのだろう、 力が弱く、ツボを突かないのであまり気持ちはよくなかったが・・・・・・。 713 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 15 54 16.30 ID hPrmcpGv0 肘掛に背を預け、顎を引き水銀燈に肩を任せる。 途中から、皮膚を直接揉んでもらう事にしたのが当った。 首と肩を繋ぐラインのコリコリに、小さい手が綺麗にはまり、 焦らされているような心地よさが耳の付け根まで伝わってくる。 「ねえ」 「何よ」 「明日、海に行こうよ」 「はぁ?何しに行くのよ」 ここで初めて水銀燈は本から顔を上げ、僕の方を見た。 「見に行くんだよ。泳ぎたいなら、泳いもでいいけど」 僕がそう言うと「泳ぐわけないじゃない、ばっかみたい」と言い、僕の肩をパンパンと叩いた。 「はい、おしまい」 「ん、ありがとう」 僕は首を回しながら言う。 「じゃあ、次は私の肩揉みなさいよ」 今まで僕の肩を揉んでいた手で、自分の首筋のツボを刺激する。 なんだよ、全然ツボの刺激の仕方分ってるじゃないか。 「なによ。あんた、人に揉ませておいて自分は何もしないの?」 片眉を吊り上げ水銀燈が言う。 確かに、水銀燈の言い分は正しい。 714 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 16 05 20.60 ID C5aEaWVO0 トロイメントとオーベルもそうだけど 何で水銀党員は真紅を悪者にして水銀燈をいい子だと捏造すんの? 悪役の水銀燈をそのまま愛せないの? 716 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 16 13 37.10 ID hPrmcpGv0 別に真紅を悪役にしてる訳じゃないけどな。 水銀燈は他のドール達から見たら悪役だったけどさ アリゲーふっかけるのは父親を思って、 途中からはめぐを思っての事だったじゃないか。 それに、水銀燈を悪役と見るか否かは個人の自由だと思うよ 717 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 16 17 30.01 ID hPrmcpGv0 僕は水銀燈の首筋に手を当て、親指と中指でツボの場所を刺激する。 ふぁあと空気の抜ける声が聞こえてきた。 「両手使って揉みなさいよ」と肩を窄めながら言う。 両肩で僕の手を押しやろうとする所を見ると、少し痛かったのかもしれない。 「椅子に座りながら言われてもな」 言われて気づいたのか、読んでいた本に栞を挟め、椅子からもぞもぞと降りた。 読んでいた本は温めていた椅子に置き、自分は僕の前にちょこんと座る。 「てっきり、こっちに座るもんだと」と僕は組んだ自分の足を指しながら言った。 「いいから揉みなさいよ。ノロマは嫌いよ」 細い肩に両手を乗せると、彼女の両肩はすっぽりと手の平に隠れてしまう。 僕は指先を使い、柔らかい彼女の肩を揉んだ。 水銀燈は肩を揉まれながら唸っている、両肩も次第に持ち上がり始めた。 「お前、肩こってないだろ」 「こってるわよ」 痛みに耐えるように水銀燈が言った。 「まあいいけど」と僕は揉む力を弱めた。次第に水銀燈が、体重を僕の両手に移し出す。 カラスの鳴声が聞こえてくる。 「明日、海に行こうよ」 僕はもう一度言った。 「海を見に行くの?」 水銀燈の声に棘がない。 「ああ。泳ぎたいなら、泳いでもいいけどね」 「だっからぁ、泳がないわよ」と呆れるように言った。 太陽の光りが雲に隠れ、部屋が暗くなる。 「ばっかみたい」と水銀燈が笑うように言った。 彼女の髪の毛は、凪いでいる海面を風がからかったように微かに揺れていた。 719 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 16 25 59.00 ID hPrmcpGv0 年代物の車のドアが錆びを落とし閉められた。 潮の香が風に運ばれてくる。 水銀燈は車の屋根に立ち、惚けるように海を見ていた。銀の髪が潮風を泳ぐ。 「もっと近くに行こうよ」 「え、ええ。そうね」 どこか遠い所から意識を引き戻し、黒い粒子を散し飛び上がった。 手をさし伸ばし「抱っこしようか」と聞くが「いらないわ」と返された。反抗期なんだろう。 堤防の端から繋がる山の獣道(獣ではなく人が作った道だが)から下に降りる。 水銀燈は蜘蛛の巣対策か、僕の背に隠れて飛ぶ。 ここは元々遊泳禁止地区なのだが、アワビ、サザエ、伊勢海老がゴロゴロと獲れ、 砂浜も申し訳程度にある。地元民しか知らない穴場であった。 流れが激しく危険らしいが、海に入らなければ問題はないし、 何よりこの季節には人が居ないのが嬉しい。 僕は手ごろな岩に腰掛けた。 水銀燈はしばらく辺りを飛び回り、僕の肩に腰を下ろした。ドレスが汚れるのが嫌なのだろう。 波が砂を攫う音が聞こえてくる。 「広いね」 「ええ」 「海見たの初めて?」 「ええ、初めてよ」 外国の子には海が珍しいと聞く、日本でも内陸の人は殆ど海を見たことがないらしい。 「そっか」と僕は呟いた。 722 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 16 38 50.52 ID hPrmcpGv0 潮風が揺らす髪を水銀燈は片手で押さえていた。 サンダルを脱ぎ、ズボンの裾を捲り上げた僕に「何してんの?」と水銀燈が不思議そうに聞いてきた。 「海に入るよ!」と僕は立ち上がる。 「ちょ、ちょと!」 行き成り立ち上がられ、バランスを崩しそうになったのか、両手で僕の髪の毛を掴んできた。 裸足に砂が冷たい。 波打ち際に立つと何とも言えない心地よさが足裏から伝わる。 「冷たいね」 「当然じゃない、もう秋よ秋」と髪の毛を握り締めたまま水銀燈が言った。 「うひょお、きもちい」 波を掻き分け踝上まで波を感じる。 水銀燈の羽が後頭部にぱたぱたと当る。羨ましいらしい。 「水銀燈もブーツ脱いでさ、一緒に入ろうよ」 「しょうがないわねぇ」と待ってましたと言わんばかりに僕の肩から飛び上がり、 急いでブーツとハイソックスを脱ぎ、僕のサンダルの上に置き戻ってきた。 「あんまり、あんたが一人で寂しそうだから付き合ってんのよ。勘違いしないでね」 何も聞いていないのに、砂浜を歩きながらそんな事を言う。 波打ち際で「ひゃぁ!」と可愛らしい悲鳴を上げた。 砂が足の裏を流れる感触は初体験らしい。 水銀燈はスカートを両手で膝までたくし上げ、僕の隣まで歩いて来た。 「なんだか、不思議な所ね。海って」 水銀燈の白い脛を波が撫でる。 「ああ」と相槌を打つ。 こんな所から命が生まれ、俺が産まれて、水銀燈が生まれて、 こんなちっちゃな島国で出会って・・・・・・。 727 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 16 49 52.05 ID hPrmcpGv0 母なる海に思いをめぐらせていると水飛沫が顔にかかった。 水銀燈が海水を蹴り上げたのだ。 「ちょ、いきなりなんだよ」 「ほらほら、逃げないと濡れちゃうわよ」と水を蹴り上げなら迫ってくる。 「こら、やめろって、冷たい」 「何よ、楽しみなさいよ」 「おいおい、水掛はクラス1位だった俺にそんな事」 「言っていいのか?」は海水の塊に口の中で洗い流されてしまった。 ついでに言うと、さぼる頻度もクラス一位だった。 「おい、こらまて」 「やーよぉ」 水銀燈は足を水面につけながら飛んで逃げ、白い尾が海面に二本引かれる。 「卑怯な!」 「はやくぅ、こっちよこっちぃー」 時たま振り返り水を蹴上げる。 こんな追いかけっこをしばらく続け、やっとの事で水銀燈を捕まえた。 「ぐふふふ、海水がうぬを待っておるぞ」 「ちょと、顔が本気で気持ち悪い」 「何とでも言いなさい」 さあ、お尻からジワジワと海水につけてやるぞと水銀燈を横に構えるが、何も言ってこない。 水銀燈は口を惚けたように開き、一点を見ていた。 僕も水銀燈を捕まえたまま同じ方向を見る。 真っ赤な夕日が、海に溶け込み空を燃やしていた。 溜息が漏れる。 「綺麗だね」 水銀燈は僕の腕の中で「うん」と頷いた。 いつしか夕日は海に全て溶け、空は火種を残すだけとなった。 729 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 17 00 02.26 ID hPrmcpGv0 「帰ろうか」 「そうね」一呼吸置き、水銀燈が言った。 波が砂を攫う音と、潮風が海面と山の梢を撫でる音だけが聞こえてくる。 「また来ようよ。今度はお弁当持ってさ」 「うん」 引き潮が僕の足から熱を奪う。 僕は水銀燈を抱っこしたまま、サンダルの方へと歩く。 水銀燈のソックスとブーツを手に取り、海水と砂にまみれた足でサンダルを引っ掛ける。 「ちょと、おろしなさいよ」 羽根が僕の胸をパタパタと打つ。 「車まで連れて行くよ」 潮風が吹いた。水銀燈は自分の髪を押さえる。 「家へ帰ろう」 水銀燈はもう何も言わず、僕の腕に身をまかせた。 蝉が一声だけ鳴いた。 730 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 17 00 17.85 ID hPrmcpGv0 お わ り 735 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2007/10/03(水) 17 28 05.78 ID XkFeMoD40 G並みの生命力だな 736 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2007/10/03(水) 17 29 42.37 ID hA42/mYR0 いや、これはもはや水虫並み 737 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2007/10/03(水) 17 35 53.39 ID hPrmcpGv0 糖尿病や免疫力の低い人、治療でステロイド内服をしている人は、水虫になりやすいとされる。 739 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:sage :2007/10/03(水) 17 38 01.32 ID sDd6rKIY0 まあ最近は脇の下からシナモンの香りがしてくるようになったから大丈夫だよ 740 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 17 54 32.88 ID hPrmcpGv0 739 あれれ・・?俺書き込んだ覚えないのにな・・・ 742 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 18 03 47.43 ID hPrmcpGv0 肝臓患ってる奴等の集会場みたいなもんさ 753 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 18 59 17.04 ID hPrmcpGv0 キスを報酬っすか こうさ、キスってもっと甘酸っぱいもんじゃねーの? 例えばさ、好きな子と隣り合わせに座ってんの。椅子じゃなくて地面にな。 そんで地に付いてる手のさ、小指がちょんちょん触れ合うわけ だんだんと触れている面積が広がってきてさ、最終的には手繋いでるのよ もちろん指を絡み合わせせてな。 どちらともなく相手の顔を見て瞳を絡み合わせるんだけどさ、すげー真っ赤なの 二人とも耳まで真っ赤でさ、相手の顔がぼやけてくんの もっと近くで見ようと顔を近づけてさ、はっきり見える距離になったら 息遣いが感じ取れる距離なんですよ。まさに目と鼻の先。 そしてどちらからともなく目をつぶってさ、唇と唇を合わせようとするんだけど 鼻先と鼻先がぶつかり合ってさ、互いに顔を引いて、今度は顔を傾けてさ 近づけて、チュって。もうね、ほんとチュってするわけよ ほんと、互いの口先が触れ合うくらい。銀の橋もかからない、ほんと一緒。 それでキスしたって事実がさ二人の顔にさらに油を注ぐわけよ なんつーかほんと、キスが正直なんであんなにロマンチックな物か分らないけどさ そういった風に先入観があるのよ、その先入観だけで顔は大火事、心は早鐘 少しだけ、相手の心に触れさせてもらったようなさ、そんな気持ちになるのよ 互いの心に安堵っていうか、嬉しさっていうか もうさ、とにかくそんな感情で溢れるわけ 一回キスしたらさ、もう一回キスしていい?もう一回、チュッチュッチュッチュ 次第に銀の橋もかかるようになってさ 言うんだよ、片方が「大好きだよ」って 今まで愛を行っていた口が愛を語るんだよ。二重の極みだよ そして相手も「うん」とか真っ赤になって言うの、もうねこんな感じ キスってこんな感じ すっげー甘酸っぱい物なの だからさ、キスを報酬にするってのは、また違う事だと思うの やっぱりキスの報酬は、一度二人に関係が出来てからがいいと思うんだ。 754 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 19 00 56.00 ID hPrmcpGv0 まちがえまちがえ 996 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: :2007/10/03(水) 22 41 31.66 ID hPrmcpGv0 みんな、じゃあの
https://w.atwiki.jp/suiginto/pages/67.html
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 21 33 05.29 ID GfRUFenN0 真紅「さあ、アリゲーを始めるのだわ」 水銀燈「あー、・・・・うん」 真紅「水銀燈、あなた疲れてる?」 水銀燈「べつに・・・」 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 21 34 27.00 ID GfRUFenN0 真紅「水銀燈」 水銀燈「・・・」 真紅「あなた、きいてるの?」 水銀燈「・・・え?」 真紅「・・・」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 21 38 14.62 ID GfRUFenN0 真紅「水銀燈、オメガオモシロスな動画サイトを見つけたのだわ」 水銀燈「おしえてぇ」 真紅「コメントを書き込めるのだわ」 水銀燈「・・・・うん」 真紅「どうしたのだわ、お気に召さなかったのかしら」 水銀燈「いや、べつに・・・」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 21 40 18.93 ID GfRUFenN0 真紅「水銀燈、一緒に美味い棒でクォリティ高いOFFをするのだわ!」 水銀燈「いや、ちょと。今日は都合が悪くてぇ・・・」 真紅「いくのだわ!待ち合わせ場所に行くのだわ!」 水銀燈「・・・」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 21 41 39.91 ID GfRUFenN0 ブー ブー ブー 水銀燈「・・・」 ブー ブッ 水銀燈「・・・」 ぷるるるる、ぷるるるる 水銀燈「・・・はい、もしもし」 真紅「なんで携帯に出ないのだわ!」 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 21 43 43.06 ID GfRUFenN0 真紅「ギザカワユス!くんくん探偵たそギザカワユス!」 水銀燈「黙りなさぁい」 真紅「え?水銀燈、今何か言ったのだわ?」 水銀燈「いえ、べつに・・・」 真紅「 水銀燈ギザカワウソス」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 21 46 21.52 ID GfRUFenN0 真紅「今日はカラオケなのだわ!」 水銀燈「え、今日は図書館のはずじゃ・・・」 真紅「アニソン、特ソンが私を呼んでいるだわ!」 水銀燈「・・・」 →カラオケ店内 水銀燈「あの、次、私のばんじゃ・・」 真紅「バラードなんかくだんねーぜ!私の歌を聞けなのだわ!」 水銀燈「・・・はあ」 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 21 49 57.42 ID GfRUFenN0 ピーンポン ピーンポン 水銀燈「・・・」 ガチャガチャ 真紅「・・・いないのだわ」 ピーンポン ピーンポン 男の声「宅急便です、ハンコお願いします」 水銀燈「あ、はいはい」 真紅「今日はJAMも連れてきたのだわ!」 水銀燈「・・・」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 21 52 16.71 ID GfRUFenN0 真紅「今日こそアゲーで決着をつけるのだわ!」 水銀燈「ごめんなさいねぇ、ちょと風邪気味で・・」 真紅「大丈夫なのだわ?」 水銀燈「ええ大丈夫よぉ、心配してくれてありがとねぇ・・」 真紅「大丈夫ならアゲーするのだわ!」 水銀燈「・・ごほ、ごほ」 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 21 54 46.19 ID GfRUFenN0 真紅「その扇風機、もう使わないのだわ?」 水銀燈「ええ、もう夏も終わりよぉ」 真紅「使わないのなら私が頂くのだわ!」 水銀燈「でも、来年またぁ・・」 真紅「今から使わないのなら貰うのだわ!絶対にだわ!」 水銀燈「・・なら、あげるわぁ」 真紅「ありがとうなのだわ!」 水銀燈「真紅って、暑がりさんなのね」 真紅「何を言ってるのだわ?来年の夏に使うに決まってるのだわ」 水銀燈「・・・」 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 21 58 40.31 ID GfRUFenN0 真紅「ヤクルト美味しかったのだわ」 水銀燈「食後の楽しみにしてたのに・・・」 真紅「ちょと、何を泣いてるのだわ!泣き止むのだわ!」 水銀燈「だって、だってぇ・・」 真紅「あ、謝るの。はい、もしもしなのだわ」 水銀燈「・・・」 真紅「JAMに呼ばれたのだわ、さよならなのだわ」 水銀燈「ヤクルト・・・」 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 01 14.81 ID GfRUFenN0 真紅「だわだわだわだわだわ、だーわっ!」 水銀燈「ねえ真紅、なにしてるの?」 真紅「目押しの練習なのだわ」 水銀燈「え、真紅ってスロットするのぉ?」 真紅「はぁ?なのだわ。スロットなんてしないのだわ」 水銀燈「だ、だってぇ・・・」 真紅「目押しの練習してるだけなのだわ」 水銀燈「・・・」 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 03 12.20 ID GfRUFenN0 水銀燈「・・・」 ブー ブロロロロ 水銀燈「・・・」 チュン チュン 水銀燈「・・・」 ブー ブー 水銀燈「は、はい、もしもし」 電話相手「すみません、間違えました」 ツー ツー ツー 水銀燈「・・・」 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 07 10.57 ID GfRUFenN0 水銀燈「久しぶりねぇ、真紅」 真紅「・・・」 水銀燈「ねえ、今日はアリゲー?アゲー?しないのぉ?」 真紅「・・・」 水銀燈「ねぇねぇ、無視しちゃやーよ?」 真紅「話しかけないで頂戴、メールが打てないのだわ」 水銀燈「・・・ごめんなさぁい」 真紅「何度言わせればいいのだわ!これじゃメールがアンディンフグのCMになるのだわ!」 水銀燈「・・・」 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 10 26.50 ID GfRUFenN0 真紅「ちょと水銀燈、聞いてるの?」 水銀燈「あと、ちょとだけ・・」 真紅「話す時ぐらい携帯から顔を上げるのだわ!」 水銀燈「・・・ご、ごめんなさぁい」 真紅「まったく、何でもかんでも謝ればいいと思って・・・」 水銀燈「・・・」 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 12 19.76 ID GfRUFenN0 水銀燈「あの、真紅」 真紅「なんなのだわ」 水銀燈「アンディンフグじゃなくて、アンディ・フグなのよ・・・?」 真紅「・・・水銀燈、自分の間違いを他人のせいにするもんじゃないのだわ」 水銀燈「え、これは真紅がぁ」 真紅「あーやだやだ、踵落とししか知らない世代はやだやだ」 水銀燈「・・・」 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 15 59.18 ID GfRUFenN0 真紅「ポテチ買って来たのだわ」 水銀燈「ありがとぉ」 真紅「・・・」 ピコピコ 水銀燈「え、あの・・」 真紅「なんなのだわ?」 ピコピコ 水銀燈「せめて、指を拭いてほしいな、なんてぇ」 真紅「水銀燈は小さい人形なのだわ」 水銀燈「・・・」 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 18 15.46 ID GfRUFenN0 真紅「水銀燈、ケーキを買ってきたのだわ。一緒に食べるのだわ」 水銀燈「え、ありがとぉ」 真紅「紅茶をいれてあげるのだわ」 水銀燈「・・・美味しい」 真紅「二人で一緒にお茶をするから美味しいのだわ」 水銀燈「真紅・・・」 ジリリリリリリリリ 水銀燈「・・・朝」 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 21 22.88 ID GfRUFenN0 金糸雀「水銀燈元気かしら?」 水銀燈「ええ、おかげさまでぇ」 金糸雀「隠さなくてもいいのかしら!」 水銀燈「え?」 金糸雀「目尻に皺があるのかしら、ふふ、昨晩はお楽しみだったのかしらぁ?」 水銀燈「・・・あの、この皺はもともと」 金糸雀「あ、これは失礼したかしらー」 水銀燈「・・・」 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 24 37.36 ID GfRUFenN0 水銀燈「翠星石、何か困った事があったら相談にのるわぁ」 翠星石「・・・へぇ、本当ですか」 水銀燈「ええ」 翠星石「今、スポーツ選手のKと画家のMと開業医のGから求婚されてるです」 水銀燈「ほ、ほんとぉ?」 翠星石「嘘にきまってるでーす」 水銀燈「・・・」 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 26 54.85 ID GfRUFenN0 蒼星石「何かようかい?」 水銀燈「いえ、別に」 蒼星石「隠しても無駄だよ、アゲーをしにきたんだろ?」 水銀燈「そ、そんなつもりじゃ・・・」 蒼星石「演技が下手だね水銀燈」 水銀燈「本当に、そんなつもりじゃ・・・」 蒼星石「まあ、戦っても僕には勝てないけどね」 水銀燈「・・・」 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 29 23.69 ID GfRUFenN0 水銀燈「雛苺、アンパンあげるわぁ」 雛苺「・・・」 水銀燈「瓶牛乳もあるのよぉ」 巴「ヒナちゃん、苺大福買ってきたわよ」 雛苺「わーいなのお!」 水銀燈「・・・」 パリパリ キュポン 水銀燈「私は好きなんだけどな・・・」 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 31 49.88 ID GfRUFenN0 薔薇水晶「・・・」 水銀燈「・・・」 薔薇水晶「私には・・・」 水銀燈「?」 薔薇水晶「お父様が、いる・・・あなたには、居ない・・・」 水銀燈「・・・」 薔薇水晶「夜のプロレスの時間だから・・・またね」 水銀燈「・・・」 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 34 02.83 ID GfRUFenN0 雪華綺晶「・・・」 水銀燈「・・・」 雪華綺晶「トェェェイ」 水銀燈「え、なにかしら?」 雪華綺晶「がきつかの、ジュウシマツ住職よ。お姉さま」 水銀燈「へー」 雪華綺晶「お姉さまはリアクション悪いのね」 水銀燈「・・・」 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 37 14.50 ID GfRUFenN0 めぐ「げろ、水銀燈、げろ、水銀燈、げろ・・・」 水銀燈「めぐ、何してるのぉ?」 めぐ「あら水銀燈いらっしゃい」 水銀燈「おじゃまします」 めぐ「乙女の必修科目花占いよ、水銀燈」 水銀燈「でも、ゲロって・・・」 めぐ「え?何かしら」 水銀燈「ゲロって・・・」 めぐ「ごめん、もう一度いって?」 水銀燈「・・・」 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 39 44.78 ID GfRUFenN0 JAM「やあ水銀燈、なんだかやつれてるね」 水銀燈「ええ、少しだけ・・・」 JAM「僕の腕の中でお休みよ、水銀燈」 水銀燈「あの、そういうのは・・ちょと・・・」 JAM「そう・・・」 水銀燈「な、泣かないでよぉ」 JAM「別にいいよ、気にするなよ」 水銀燈「・・・はあ」 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 41 50.24 ID GfRUFenN0 水銀燈「・・・はあ」 ガチャガチャ 真紅「遊びに来たのだわ!」 水銀燈「あ、いらっしゃい」 真紅「アングラ掲示板がやばいのだわ、GK必死すぎなのだわ」 水銀燈「・・・」 真紅「どうしたの?妊婦発狂なのかしら」 水銀燈「い、いえ。何でもないわ・・・」 真紅「おかしな水銀燈なのだわ」 水銀燈「・・・ふふ」 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 43 40.30 ID GfRUFenN0 真紅「水銀燈はこんなサイトを見ているのね」 水銀燈「あ、ちょとぉ。お気に入りは見ないで・・・」 真紅「流石にこれは!流石にこれは第五ドールの私もひくわ!なのだわ」 水銀燈「・・・」 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 47 29.17 ID GfRUFenN0 水銀燈「・・・」 ブー キキ ガチャン ガチャ、ブロロロオ 水銀燈「・・・」 声「すみませーん、毎日新聞ですけどー」 水銀燈「・・・」 真紅「あら、どんな新聞なのかしら」 声「ええ、月5000円で。はい、じゃあ水銀燈様宛で」 水銀燈「ちょ、ちょっとお」 真紅「一人声帯模写なのだわ」 水銀燈「え?」 真紅「それと、郵便が来てたのだわ」 水銀燈「・・・」 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 50 21.17 ID GfRUFenN0 真紅「水銀燈も携帯買い換えるのだわ」 水銀燈「私はこの携帯、気に入ってるからぁ」 真紅「そんなテレビも見れない携帯じゃ、21世紀突入時に燃え尽きるのだわ」 水銀燈「え、てれび?携帯でぇ?」 真紅「ワンセグなのだわ!」 水銀燈「テレビ、家にあるわぁ・・」 真紅「今のテレビじゃ数年後見れなくなるのだわ」 水銀燈「またまた、からかわないでよぉ」 真紅「・・・」 水銀燈「え・・・本当?」 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 22 53 28.32 ID GfRUFenN0 水銀燈「真紅ぅ、アーしましょうよぉ。アー」 真紅「まったく、神聖なアリスゲームの名を略すなんて何を考えてるの・・・」 水銀燈「え・・」 真紅「あら、何か言いたい事でもあるの?」 水銀燈「・・・別にぃ」 真紅「じゃあ、アリゲーを始めるのだわ」 水銀燈「・・・」 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 23 00 46.27 ID GfRUFenN0 水銀燈「あらあらお父さん、お食事ですか?それともお風呂にしますか?」 かちゃかちゃ 水銀燈「あら、まーくん!だめでしょ、ぺっしなさい、ぺっ!」 かちゃかちゃ 真紅「・・・水銀燈」 水銀燈「真紅!?いつから、そこに・・?」 真紅「今日の夕飯は何にしましょう、あの人が好きな鯖の。からなのだわ」 水銀燈「声をかけてくれたら・・・」 真紅「まあ、おままごとで童心に返るのも。たまには、いい事だと思うのだわ」 水銀燈「真紅・・・」 真紅「明日は姉妹揃っておままごとをしましょう。水銀燈もその方が嬉しいでしょう?」 水銀燈「・・・」 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 23 05 41.67 ID GfRUFenN0 水銀燈「じゃあ、私がお母さん役で」 真紅「ぜっ、たいに!真紅がお母さんなのだわ!絶対なのだわ!」 水銀燈「あの、出来れば私が・・・」 真紅「なんなのだわ!お姉さん風ふかしていい役ゲットなのだわ!?横暴なのだわ!」 蒼星石「しょうがないね、じゃあ真紅がお母さん役でいいよ」 翠星石「じゃあ蒼星石が旦那で、翠星石が姑役してやるですぅ」 雛苺「子供役一緒に頑張るのよ、金糸雀」 金糸雀「かしらー」 水銀燈「あの、じゃあ私は何をすればいいのぉ?」 真紅「あらお隣さん、お元気なのだわ?」 水銀燈「・・・」 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 23 11 16.61 ID GfRUFenN0 水銀燈「・・・」 ピポ メル ポペペ メルル 水銀燈「よし、と」 ちくたくちくたく 水銀燈「・・・」 ちくたくちくたく 真紅「ごめんなのだわ、昨日は寝てしまったのだわ」 水銀燈「いや、気にしなくていいのよぉ」 真紅「それにしても水銀燈」 水銀燈「何かしら?」 真紅「目の下のクマが酷いのだわ。夜更かしは乙女の大敵なのだわアークエネミーなのだわ」 水銀燈「・・・」 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 23 14 27.99 ID GfRUFenN0 真紅「水銀燈は好きな人、いるのかしら?」 水銀燈「え、は、ちょっと、いい、行き成り何言ってるのよ!」 真紅「どうなのかしら、居るのかしら?」 水銀燈「え、ええ・・まあ・・一応・・」 真紅「みんなーやっぱり水銀燈は好きな人が居たのだわ!」 水銀燈「・・・」 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 23 22 09.25 ID GfRUFenN0 水銀燈「おーよしよし、お前はかわいいなぁ」 真紅「・・・」 水銀燈「よしよし」 真紅「水銀燈、突然だけどペットボトルの差し入れなのだわ。もちろんラベル剥して中身は水なのだわ」 水銀燈「あっ。逃げちゃった・・・」 真紅「私のせいじゃないのだわ」 水銀燈「まだ、何も・・・」 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 23 30 27.29 ID GfRUFenN0 真紅「み、耳の中で活火山なのだわ!」 水銀燈「耳の中見たげるわ。頭はここにのせてねぇ」 真紅「噴火、噴火してるのだわ!」 水銀燈「ほら、じっとしてなさいよ」 カリカリカリカリ ポロン 水銀燈「はい、終わったわよ・・真紅?」 真紅「・・・」 水銀燈「疲れてたのねぇ」 ぴーぽーぷー きこきこ 真紅「ふぁ!?今何時なのだわ!?」 水銀燈「あら、おはよう真紅」 真紅「く、くんくん探偵が終わってるのだわ・・」 水銀燈「あんまり気持ちよさそうに寝てるからぁ。ごめんねぇ・・」 真紅「もういいのだわ!古畑再放送でも見るのだわ!」 水銀燈「・・・」 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 23 32 24.73 ID GfRUFenN0 真紅「水銀燈、白い巨塔は好きかしら?」 水銀燈「ええ、サントラも持ってるわ」 真紅「財全、君って奴は!」 水銀燈「え、なに?」 真紅「ノリが悪いのだわ・・」 水銀燈「・・・」 154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 23 38 37.55 ID GfRUFenN0 TV「その時、歴史が動いた」 水銀燈「間に合ってよかったぁ」 声「すみませーん、NHKの方からきました」 水銀燈「また真紅ねぇ・・。はぁい」 NHK「受信料を頂に来ました」 水銀燈「あ、あれ?すみません、家テレビありません」 TV「今日はマシンガンの歴史を紐解いてみよう」 NHK「・・・」 水銀燈「・・・」 真紅「水銀燈、遊びにきたのだわ」 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 23 43 44.24 ID GfRUFenN0 水銀燈「うーん、おいしぃ」 真紅「そんなに食べたら太るのだわ」 水銀燈「何いってんのよぉ、私達は人形よ?太るわけないじゃなぁい」 真紅「・・・」 太陽→月→太陽 水銀燈「みんなおはよぉ」 翠星石「・・・けっ」 蒼星石「・・・」 雛苺「・・・」 金糸雀「・・・」 水銀燈「み、みんなどうしたのぉ?」 真紅「自分の体質を怨むのだわ」 水銀燈「え、ええ?」 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 23 51 39.16 ID GfRUFenN0 水銀燈「・・・はあ」 真紅「なに浮かない顔してるのだわ」 水銀燈「最近、ちょと疲れてて・・・」 真紅「そういう時はうーハッスルハッスル!なのだわ」 水銀燈「・・・」 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 23 54 22.21 ID GfRUFenN0 真紅「ねえ、水銀燈」 水銀燈「あら、どうしたの。あらたまっちゃって」 真紅「私ってうざいかしら・・?」 水銀燈「そ、そんなことないわよぉ。自信を持ちなさぁい」 真紅「知ってたのだわ」 水銀燈「・・・」 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/01(月) 23 57 57.75 ID GfRUFenN0 水銀燈「・・・」 真紅「あら、どうしたの水銀燈」 水銀燈「つかれた」 真紅「そう」 水銀燈「うん」 165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 01 01.41 ID n8jIYyc80 水銀燈「おやすみなさい、真紅」 真紅「ええ、おやすみなさい水銀燈」 水銀燈「・・・」 真紅「なーんてね!寝かさないのだわ、今日は朝までオールナイト富士なのだわ!」 水銀燈「・・・」 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 04 57.05 ID n8jIYyc80 真紅「私は、最近水銀燈が疲れてたから、元気付けてやりたかっただけなのだわ・・・」 水銀燈「ありがとうねぇ、真紅」 真紅「でも、他から見たら私はウザイ女なのだわ」 水銀燈「そんな事ないわぁ」 真紅「いいのだわ、自分でも分るのだわ」 水銀燈「真紅・・・」 真紅「もう、いいのだわ・・・」 水銀燈「・・・」 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 10 23.83 ID n8jIYyc80 /\ //\\ // \\ // \\ // / ̄ ̄ ヽ, \\ //. / , \\ // {0} /¨`ヽ {0}, \\ \\ .l ヽ._.ノ , // \\ リ `ー ′ .// \\ / .// \\ ...// \\ // \\.// \/ ┌───┴┴───┐ │ 鳥に注意 .| └───┬┬───┘ ││ 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 13 06.17 ID n8jIYyc80 真紅「水銀燈、今日は一緒にチェリーパイを作るのだわ」 水銀燈「頑張りましょうね」 ちぇ ちぇ、ちぇりーぱいぱい 水銀燈「真紅はちょと、休んでていいわよぉ?」 真紅「あら、一人で小麦粉を撒き散らしたいの?欲張りさんなのね」 水銀燈「ええ、ごめんねぇ」 ちぇちぇっりーぱい、おいしくやけたらちぇりーぱい 水銀燈「はい、出来たわぁ。召し上がれ」 真紅「よく考えたらアップルパイの方が好きなのだわ」 水銀燈「・・・」 180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 15 46.29 ID n8jIYyc80 真紅「水銀燈『ちょっと』って書いてみるのだわ」 水銀燈「なによいきなり。はい、これでいい?」 真紅「やっぱりなのだわ!」 水銀燈「え、ええ?」 真紅「水銀燈は『ちょっと』の事を『ちょと』って書くのだわ!」 水銀燈「え、それ。あ、あれぇ?」 真紅「もしかして、今気づいたのかしら?」 水銀燈「え、ええ・・」 真紅「・・・・プッ、し、失礼したのだわ」 水銀燈「・・・」 184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 19 49.36 ID n8jIYyc80 水銀燈「日曜日になにかあったのぉ?」 真紅「あったのだわ」 水銀燈「何があったのか、水銀燈におしえてぇ?」 真紅「それは言えないのだわ」 水銀燈「な、なんでよぉ。けちぃ」 真紅「ふふ、お子様ね・・」 かちかち かち ぽっぽー 真紅「やや!くんくん探偵劇場版-ソラノカケラ-が始まるのだわ!」 水銀燈「え、まだ話しは」 真紅「黙るのだわ!いまからくんくんなのだわ!」 水銀燈「・・・」 185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 24 07.19 ID n8jIYyc80 真紅「水銀燈、このミカンの皮を貰うのだわ」 水銀燈「好きなだけどうぞ」 真紅「食らえなのだわ!ミカンの汁攻撃なのだわ!」 水銀燈「い、痛ぁ・・・」 真紅「水銀燈は負けたのだわ。だから中身も貰うのだわ」 水銀燈「最初から半分こしようと・・・」 真紅「勝てば官軍なのだわ!月月火水木金金!」 水銀燈「・・・」 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 27 58.85 ID n8jIYyc80 水銀燈「あれぇ・・」 真紅「どうしたのだわ?」 水銀燈「私のミカンが全部なくなってるのよぉ・・」 真紅「ああ、それなら全部冷凍庫で冷凍ミカンにしてるのだわ」 水銀燈「そ、そんなぁ」 真紅「中の入ってたゆずレモンは私が責任持って食べたから安心するのだわ」 水銀燈「・・・」 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 29 59.45 ID n8jIYyc80 水銀燈「真紅ぅー」 真紅「どうしたのだわ?」 水銀燈「ハーゲンダッツ買ってきたの、一緒に食べましょうよ」 真紅「あら、気が効いてるのね。ありがたく頂くわ」 水銀燈「えーと、イチゴでいいのよねぇ?」 真紅「ええ、そうよ。それより、水銀燈」 水銀燈「なぁに?スプーンは袋の中よぉ」 真紅「緑茶はおばさんくさいのだわ」 水銀燈「・・・」 192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 33 04.34 ID n8jIYyc80 水銀燈「ところで、真紅ぅ」 真紅「なにかしら」 水銀燈「月月火水木金金ってなぁに?」 真紅「軍歌に決まってるのだわ」 水銀燈「軍・・・って」 真紅「あら、マーチの方が好きなの?」 水銀燈「そういうわけじゃ・・・」 198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 37 11.73 ID n8jIYyc80 ,,.-‐─- ..、 / ;;;;;;;;;;ヽ / ;;;;;;;;;;;;;、俺を怒らせるゅとあんまり怖くないぜ l .;;;;;;;;;;;;ヽ {0}/¨`ヽ{0} ;;;.;;;;;ヽ ヽ._.ノ i;;;;;;;;ヽ、 `ー ′ ;;;;;;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_ /) ヽ、;;;/;;l;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、 _ / / |;;;; /;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ、 ノヾ `‐-" l , -‐"i /;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ, ノヽ | / .ヽ!;; /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li l , l / , ;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ( ヽノ .i i; ;l ,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ヽ、 \l/_,-‐ 、 ;| ;\,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ヽ、i \i;;;;; ));| ;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/ \ \´);;| ;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;;i 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 40 33.38 ID n8jIYyc80 真紅「うー寒いのだわ・・・」 水銀燈「もう秋だものねぇ」 真紅「ふん、天然ファーがある奴は余裕でいいご身分なのだわ」 水銀燈「こ、これは仕様で・・・」 真紅「いいから片方を私の首に巻きなさい」 水銀燈「ほらぁ、これでいい?」 真紅「ちくちくするのだわ!今すぐ開放するのだわ!」 水銀燈「注文がうるさいわねぇ」 真紅「まったく、双子が裏山なのだわ!」 水銀燈「・・・」 193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 34 08.12 ID M3WERrgZ0 真紅「疲れたのだわ…水銀灯、紅茶を淹れて頂戴…スコーンも欲しいのだわ」 水銀灯「何で私が!貴女の下僕にでもさせなさいよ」 真紅「水銀灯が淹れてくれた紅茶が飲みたいのだわ」 水銀灯「……分かったわよ………ハイ」 真紅「この香り?…んっ?ほんのりと甘いのだわ」 水銀灯「疲れてるって言うから…ちょっとだけハチミツを加えたわ」 真紅「水銀灯…」 水銀灯「礼にはおよばなくてよぉ」 真紅「茶葉本来の香りが微妙に失われてるのだわ…直ぐに淹れなおすのだわ」 水銀灯「………分かったわよ!……………コレで良いでしょ!!」 真紅「……」 水銀灯「…何よぉ?……言われた通りに、ストレート淹れたわよ」 真紅「ハチミツが無いのだわ」 水銀灯「!!!!!あ、貴女…さっき」 真紅「ハチミツは、スコーンにつけるのだわ…持ってきて」 204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 42 49.67 ID n8jIYyc80 ○水銀燈 ×水銀灯 221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 00 58 32.12 ID n8jIYyc80 真紅「水銀燈、あけるのだわ、あけるのだわ水銀燈」 水銀燈「あら、どうしたの真紅?」 真紅「JAMに捨てられたのだわ、やっぱり人間がいいのだわ!」 水銀燈「とりあえず、家に入りなさいよぉ」 ばたん がちゃり 真紅「巴に、巴にとられたのだわ」 水銀燈「ちょとお話してただけじゃないの?」 真紅「違うのだわ!あれは、あれは雄の眼だったのだわ!」 水銀燈「・・・そう。それで、これからどうするの?」 真紅「もう、もう後妻が居るあの家には、帰れないのだわ」 水銀燈「なら、私と一緒にく」 チャラーチャララーララ チャーラララーララ ラ 真紅「はい、もしも。JAM!?」 水銀燈「・・・」 真紅「ええ、ええ。今すぐ帰るのだわ!」 水銀燈「JAM君から?」 真紅「ええ、やっぱり私が居ないと駄目なのだわ!」 水銀燈「そう、良かったわねぇ」 真紅「じゃあ、色々お世話になったのだわ。また今度なのだわ!」 水銀燈「え、ええ・・」 ガチャ ばたん 水銀燈「・・・」 227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 01 58.65 ID n8jIYyc80 使いまわし 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 12 38.84 ID /HwDx4330 支援 http //rozeen.rdy.jp/up/vipww25659.jpg 以前まーくんのおかげで銀様に目覚めたよw 232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 21 27.80 ID n8jIYyc80 水銀燈「つかれた、もうなにもしたくない・・・」 ちゅんちゅん 水銀燈「・・・」 ぴよぴよ ぶろろろ 水銀燈「あ、真紅にCD返してもらわなきゃ」 ぱたぱたぱた 水銀燈「真紅ぅ、CD返してぇ?」 真紅「あ、薔薇水晶に貸してしまったのだわ」 水銀燈「・・・」 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 30 29.78 ID n8jIYyc80 水銀燈「白湯おいしいわぁ・・・」 ちゅんちゅん ぺーろーぴー 水銀燈「あっ、いけない。お夕飯の用意しなきゃ」 かたかた ことこと 水銀燈「いただきます」 水銀燈「・・・・はぁ」 237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 34 57.62 ID n8jIYyc80 水銀燈「あっ、真紅ぅ。一人でおでかけぇ?」 真紅「ええ、クンクンショーを見に行くのだわ」 水銀燈「それなら水銀燈も連れてってぇ?」 真紅「むこうで、待ち合わせをしてるから駄目なのだわ」 水銀燈「そ、そう・・・」 真紅「また今度なのだわ」 水銀燈「いってらっしゃい。気をつけてねぇ」 水銀燈「・・・」 238 名前:基本はこれ[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 36 56.11 ID EYyiGQ4HO 銀様!銀様!銀様!銀様ぁぁぁぁあああぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!銀様銀様銀様ぅううぁわぁああああ!!! あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん んはぁっ!水銀燈様の麗しき銀色の髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!! 間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!! 漫画6巻の銀様かわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!! アニメ特別編の主人公で良かったね銀ちゃん!あぁあああああ!かわいい!銀たん!かわいい!あっああぁああ! コミック8巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!! ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら… 水 銀 燈 様 は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!! そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!nのフィールドああああ!! この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵の銀様が僕を見てる? 表紙絵の銀様が僕を見てるぞ!銀様が僕を見てるぞ!挿絵の銀様が僕を見てるぞ!! アニメの水銀燈様が僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ! いやっほぉおおおおおおお!!!僕には銀様がいる!!やったよママ!!ひとりでできるもん!!! あ、コミックの銀ちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!! あっあんああっああんあ真紅様ぁあ!!ス、翠星石!!巴ぇぇぇえええああああああ!!!雪華綺晶ぅぅうううううううああああ!! ううっうぅうう!!俺の想いよ銀様へ届け!!薔薇乙女最凶にして可憐な第一ドールの水銀燈へ届け! 239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 38 07.21 ID n8jIYyc80 基本も何も、それはルイズコピペの改変だろ 244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 43 10.55 ID sHJ/lUAuO 242 何が目的でこれを作ったのやら 一度聞いてみたいもんだ 245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 43 59.89 ID n8jIYyc80 目的はない 愛が溢れただけだ 247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 46 04.17 ID n8jIYyc80 水銀燈「お父様に会いたいな・・・」 がちゃがちゃ 真紅「遊びに来たのだわ水銀燈」 水銀燈「・・・」 真紅「水銀燈?」 水銀燈「あ、ああ。いらっしゃぁい」 真紅「遊ぶのだわ水銀燈!遊んで遊んで遊び倒れるのだわ!」 水銀燈「ええ」 真紅「ふはははは!このバスはショッカーが・・・水銀燈?」 水銀燈「・・・」 真紅「・・・今日は、かえるのだわ」 水銀燈「・・・」 248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [] 投稿日:2007/10/02(火) 01 47 35.15 ID mJgv9B6/0 おや、水銀燈の様子が・・・? 249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 48 04.09 ID n8jIYyc80 BBBBBBBBBBBBBBBBBBB 251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 51 21.72 ID n8jIYyc80 水銀燈「お父様にあいたいな・・・」 がちゃがちゃ 真紅「遊びに来たのだわ水銀燈」 水銀燈「・・・」 真紅「水銀燈?」 水銀燈「あ、ああ。いらっしゃい」 真紅「なにか、悩みでもあるのかしら?聞くのだわ」 水銀燈「心配ありがとねぇ。でも特になにもないわぁ」 真紅「・・・そう。じゃあ遊んで遊んで遊び倒れるのだわ!」 水銀燈「ええ」 真紅「ふははははは!このバスはスマートブレインが・・・水銀燈?」 水銀燈「・・・」 真紅「・・・今日は、かえるのだわ」 水銀燈「・・・お父様」 253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 53 26.00 ID n8jIYyc80 BBBBBBBBBBBBBBB 255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 01 57 15.91 ID n8jIYyc80 水銀燈「お父様にあいたいな・・・」 がちゃがちゃ 真紅「遊びに来たのだわ水銀燈」 水銀燈「・・・」 真紅「水銀燈?」 水銀燈「あ、ああ。いらっしゃい」 真紅「なにか、悩みでもあるのかしら?聞くのだわ」 水銀燈「心配ありがとねぇ。でも特になにもないわぁ」 真紅「隠さなくてもいいのだわ。この真紅に相談するのだわ」 水銀燈「・・・お父様には、いつになったら出会えるのかしらぁ」 真紅「・・・いつか。出会える日が来ると、信じてるのだわ」 水銀燈「そう、ねぇ」 真紅「それしかないのだわ」 水銀燈「・・・ええ」 真紅「じゃあ景気良く遊んで遊んで遊び倒れるのだわ!」 水銀燈「ええ、そうねぇ」 真紅「ふははははは!この領域は珪素生物が・・・水銀燈?」 水銀燈「・・・」 真紅「・・・今日は、かえるのだわ」 水銀燈「・・・」 258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 00 26.49 ID n8jIYyc80 BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB 」 」 」 」 」 」 」 error error 265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 06 12.84 ID n8jIYyc80 真紅「今日は久しぶりにアリゲーでもするのだわ」 水銀燈「ええ、そうねぇ」 真紅「・・・水銀燈、あなた本当に戦う気はあるの?」 水銀燈「ええ、もちろんよぉ」 真紅「・・・」 水銀燈「あら、どうしたのぉ?する前にお茶でもする?」 真紅「水銀燈。あなたは、ローゼンメイデンとしての ───────────off───────────── 」 」 」 」 」 」 START 267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 06 50.40 ID n8jIYyc80 真紅「さあ、アリゲーを始めるのだわ」 水銀燈「あー、・・・・うん」 真紅「水銀燈、あなた疲れてる?」 水銀燈「べつに・・・」 270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 14 35.63 ID n8jIYyc80 真紅「水銀燈、今日はワクワク工作でもするのだわ!」 水銀燈「粘度遊びね」 真紅「こ、これ、これでくんくんをつ、作れば・・わた、私のく、くん」 水銀燈「エプロンつけなきゃ駄目よ。はい、顎あげてねぇ」 真紅「早く、早くするのだわ!くんくん、くんくんが!!!」 水銀燈「はい、いいわよ」 真紅「く、くんくううううんん!!!」 こねこねこねこねこねこねこねこねぐね 水銀燈「その、初めてだったんだし。ねぇ?」 真紅「いらないのだわ!失敗作などいらないのだわ!くらうのだわ!だわ!」 水銀燈「だめよぉ、せっかく作ったんだからぁ・・・」 真紅「・・・水銀燈は、ずいぶん上手に出来たのね」 水銀燈「えっ、う、うん。」 真紅「・・・」 水銀燈「・・・」 275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 20 45.74 ID n8jIYyc80 水銀燈「あら、真紅じゃない。どこいくのぉ?」 真紅「今からクンクンショーなのだわ」 水銀燈「水銀燈も一緒につれてってぇ?」 真紅「向うにJAMも居るけど、それでいいのなら一緒に行くのだわ」 水銀燈「うん、いくいくぅ」 真紅「姉として妹の男を確認したいようね」 水銀燈「いや、そういうわけじゃぁ・・・」 280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 26 22.89 ID n8jIYyc80 水銀燈「どう、美味しい?」 真紅「ええ、とても美味しいのだわ」 水銀燈「真紅の教え方が上手なのよぉ」 真紅「いいえ、水銀燈。一緒に飲むから、美味しいのよ」 水銀燈「真紅ぅ・・・」 真紅「でも、少し湯が温かったようね。葉が開ききってないのだわ」 水銀燈「え、あ。あれぇ」 真紅「それと、付け合せのお菓子もよくないのだわ。これじゃ紅茶の香が死んでしまうのだわ」 水銀燈「・・・・うん」 真紅「あら、どうしたの水銀燈?」 水銀燈「べ、べつにぃ・・・」 真紅「おかしな水銀燈」 水銀燈「・・・」 283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 27 55.78 ID n8jIYyc80 真紅嫌いな奴は法事で立ち上がるとき、前の人にタックルするといい 288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 30 29.30 ID n8jIYyc80 水銀燈「あら、真紅ぅ?」 蒼星石「僕だよ。水銀燈」 水銀燈「珍しいわね、あなたが一人で遊びに来るなんてぇ」 蒼星石「・・・」 水銀燈「翠星石はどうしたのぉ?」 蒼星石「・・・いっしょだ」 水銀燈「どこにも・・・あなた、まさか」 蒼星石「そうだ、翠星石は僕 ───────────off──────────── 」 」 」 」 」 」 START 290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 34 13.84 ID n8jIYyc80 あのキャラクター達にはそれぞれの正義がある。 特定のキャラクターが嫌いになるってのは、簡単に言えば そいつの言い分、行動が認められないって事じゃないのかな。 漫画のキャラの言い分も認められないような奴は、 正座でもしときなさいって事さ 291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 36 28.18 ID n8jIYyc80 真紅「水銀燈、白い巨塔は好きかしら?」 水銀燈「ええ、サントラも持ってるわ」 真紅「財全、君って奴は!」 水銀燈「え、なに?」 真紅「ノリが悪いのだわ・・」 水銀燈「・・・」 295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/10/02(火) 02 40 22.41 ID n8jIYyc80 真紅「やばいのだわ、変なサイトクリックして高額請求なのだわ!」 水銀燈「それ、ワンクリック詐欺じゃないの?」 真紅「・・・じゃあ、払わなくても・・いいのだわ?」 水銀燈「ええ」 真紅「だけど、何でそんなに詳しいのかしら」 水銀燈「え?」 真紅「これは確実に騙す側の知識・・・水銀燈、あなたワンクリック詐欺団の一人ね!」 水銀燈「ち、違うわよぉ。何いってんのよ、ばっかみたい」 真紅「この不自然な申し開き・・・さらに怪しいのだわ!正体現せなのだわ!」 水銀燈「本当に違うのにぃ・・・」 次へ
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水銀燈に奪われた! http //wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1189969858/ 1~